日本のZ世代(の18歳から25歳)の約半数が「将来、子どもは欲しくない」と回答したらしい。
そして韓国でも、20代と30代の女性のうち約半数が「女性の人生に結婚・出産は重要でない」と回答し――
女性にとって結婚と出産は必須だと答えたのは、わずか4%だったという。
(⇒ ABEMA TIMES 2023年2月26日記事:Z世代の約半数「将来子どもがほしくない」と回答 理由として“金銭問題”は2割弱に留まる)
(⇒ 聯合ニュース 2023年2月26日記事:「結婚・出産は必須」と考える20~30代女性 わずか4%=韓国)
いちおう言っておくと、韓国女性の4%が「結婚と出産は女性の人生にとって必須」と「まだ」考えているのは、由々しいことのはずである。
そんなこと公の場で言ったら、社会的にたちまちボコボコにされるに違いないからだ。
少なくとも日本では「結婚・出産が女性の人生には必須」という意見は厳しく断罪されてきたし、「そうでない社会」を目指してきている。
たぶん韓国でだって、似たようなもののはずである。
それはともかく今回の日韓の調査では、このブログで何度も書いてきたことが改めて裏付けられたようにも感じる。
その書いてきたこととは、
(1) 非婚化・少子化の最大の原因は、経済的なものではない
(2) たとえ嫌い合っていても、しょせん日本と韓国は東アジアの似たもの同士
という2つである。
つい先日の記事では、もう若者の間ではセックス自体がおぞましく厭わしく面倒……
という意識が浸透してきているのではないか、と書いた。
(⇒ 2023年2月23日記事:少子化非婚化の根源?「セックスはおぞましい」)
そして、もう一つ広まっていると思うのは、
「人と接するのは職場だけで十分」
「仕事が終わった後まで家庭生活や子育てなんかで潰れるのは真っ平」
という意識である。
これは文字どおり万人の(何万人単位の)「共感」を集める考え方だと思うのだが、あなたは共感しないだろうか。
日本は何をやっても少子化非婚化を改善できず、
韓国は16年間で29兆円を投じても世界ダントツの低出生率記録を更新し続けている。
それはカネがないからというよりは、人付き合い自体が厭わしいからである。
人と接すれば接するほどいろんな意味でのリスクが上がるのを、ハッキリと知っているからである。
そしてまた中国も、たぶん同じような理由で人口減少局面に突入した。
おそらく日・中・韓の三国が出生率・婚姻率を劇的に改善させることは、ほぼ無理だと思われる。
この三国の男女の半分くらいは結婚せず子供もなく死んでいくことは、ほぼ確定だと思われる。
なんだかこれは、「大東亜共栄圏」ならぬ「大東亜共滅圏」みたいなものと思わぬではない。
それが言い過ぎなら、「大東亜非婚無子圏」といったところだろうか。
私にはこれが「儒教の(悪)影響」とは、全然思えないのだが――
(⇒ 2023年1月24日記事:諸悪の根源?「昭和」と「儒教」(下)-非婚化・少子化は儒教のせいか)
しかしこの三国には、人間に「この社会、及び生きていくこと自体」を厭わしい・面白くないと思わせる共通因子があるのだろうとは思う。
そしておそらく、それがない(であろう)イスラム圏なんかは、まだまだ人口を伸ばしそうである。
もしこの三国が、人口を維持しようとすれば――
それは「クローン人間を解禁する」「子どもは企業に注文してカスタマイズして製造する」なんていう、SF的方法しかなさそうだ。
(中国なら、強権的に人々を結婚させ子作りさせるという手法もあるかもしれない……)
「結婚はしたくないが自分の遺伝子は残したい」という需要は、この三国の国民にも大いにありそうだからである。