プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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トランプ暗殺未遂犯は「孤独な秀才ガンオタ」の不遇復讐か

 7月13日に起きたトランプ米大統領候補への銃撃暗殺未遂事件では、発砲からほどなく銃撃犯が警察の警護スナイパーに射殺されることとなった。

 彼の名は、ペンシルヴェニア州在住の男性、トマス・マシュー・クルックス(20歳)

 彼は半自動式ライフル銃であるAR-15――アメリカの銃乱射事件ではよく使われる「優秀」な銃――により、

 トランプ氏の演題から約120メートル離れた製造工場の屋根から腹ばいになって2度(2発ではない)の射撃を行なったという。

 そんな彼は、高校時代の2022年に全米数学・科学イニシアチブスター賞を受賞していた。

 かつ歴史が大好きで、歴史については知らぬことがないと思えるほどだったともいう。

 間違いなく文系理系両道の秀才と言ってよいだろうが、反面、在学する高校ではイジメ又は無視を受けていたとも言われ、地味で大人しい孤立した生徒だったと思われる。

 そしてその顔写真も、そうもあろうかという雰囲気ではある。

 しかしまたまた反面、彼は射撃にも興味を持ち、「狩猟の服装」で高校に来ることもあったという。

 ただ、同高校の射撃部には(射撃が下手過ぎて)入ることが叶わず、その代わり1年くらい前に地元の射撃クラブに入ったらしい。

 また付け加えると、銃撃当日に着ていたのは「デモリション・ランチ」と書かれたTシャツで、これは銃や爆発物の実演で人気のYouTubeチャンネルの名だという。

 そんな彼は(コロナ禍以後は登校しなかったので?)高校の卒業アルバムにも写真はなく、また大学に行ったという報道もない。

 では今は何をしていたのかというと、「地元の介護施設の厨房で働いていた」らしい。

(⇒ BBC 2024年7月15日記事:トランプ前米大統領の暗殺未遂、容疑者はどういう人物か)

(⇒ 中央日報 2024年7月15日記事:トランプ氏を撃った20歳白人、高校時に全米数学・科学賞を受賞した優等生だった)

 私はあえて素人プロファイリングをしようとは思わないが、しかし――

 私に限らずあなたも誰もかも、プロファイリングめいた感想を抱かずにはいられないのではないか。

 この事件は、

「孤独で内向的な、しかもかなり高度な秀才クラスの若者男性」が、「それにも関わらず大学にすら進学できず、施設の厨房で働く」という不遇感……

 これこそが原因である事件ではなかろうか、という感想を。

 こんな不遇な自分に比べて、トランプ前大統領は何と輝いていることだろう。

 知性の面では自分の方が上回っているに違いないのに、しかし現実のこの差は何なのか――

 これは、そういう気持ちを抱かない方がむしろおかしい、そんな種類の心性である。

 その意味で、この犯人に「同情・共感」できる人は日本にもアメリカにも非常に多いのではないか。

 そして、そういう心性である人がミリオタ・ガンオタである確率は、これまた非常に高いのではないか。

 日本は今でこそ銃社会ではないが、しかしもし銃社会であったなら、アメリカ以上にこの「不遇復讐殺人」は多く起こるかもしれない。

(⇒ 2019年5月28日記事:「負け組かつ行き詰まり世代」の復讐殺人は激増する-川崎児童襲撃事件もその一つ)


 私はこの事件、聞いた最初は「元軍人とりわけスナイパー経験のある人が、狙撃用の銃でやった」と思ったものである。

 しかし実際はそうでなく、軍隊経験もない弱冠20歳の「ガン好き」(しかし射撃は下手な部類)若者のしたことであった。

 だがこれは、スナイパー経験者が犯人であった場合よりさらに恐ろしいことだ。

 何となれば、こういう「実際に優秀なのに非常に不遇」な環境にある人、にも関わらず自分とは段違いのスーパーセレブのことを日々見せつけられている人というのは、全世界に何百万人もいるだろうからである……