●日米同盟は不公平だから破棄したい
●沖縄の普天間基地移転は、アメリカの土地を収奪して移住させる(インディアンのようなものか?)ことなのだから、日本にはカネで補償させたい
なんてことを側近に漏らしたそうである。
もちろんアメリカ政府はこれについて沈黙・黙殺しているし、
日本政府はその報道は間違いだと否定している。
しかしトランプ大統領が大統領当選前からこの種のことを言っていたのは周知のことだし、トランプ個人が本当にこう思っていることは別にショッキングでも何でもない。
それについ今年の1月には、トランプは「NATO(北大西洋条約機構)もやめたい」と言っていたらしいと報道された。
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彼の言動は確かに首尾一貫していて、とにかく――
●アメリカに負担がかかり、
●「同盟国」がそれにタダ乗りする
ようなことには、生理的に反対なのである。
もちろん、アメリカの国家戦略上というか軍部にとっては、日米同盟やNATOをやめるなんてとんでもないことである。
アメリカは世界ぶっちぎりの最強軍事大国なのは間違いないが、それでも「地元同盟国」の支援があったり、まさにその国に自国の基地があるというのは、計り知れない価値がある。
だが、トランプ(及び同意見の人たち)にしてみれば――
それは確かに価値はあるが、あんまりにも高い保険料じゃないかということになるだろう。
つまりこれは、個人の家計に引き直してみれば、保険料の見直しということになる。
そういうことをしようと思い立つ自体、健全な精神と動きだと言えないこともない。
そして同時にトランプは、アメリカの軍事力に史上最大の自信を持っているということの現れでもあるのだろう。
あるいは、「今ヨソの国にタダ乗りさせてるアメリカのカネを軍備に回せば、地元同盟国の(アテにならない)協力に比べれば、はるかに世界で戦う役に立つ」と思っているのかもしれない。
ところで、ついにこういうアメリカ大統領が現れたというのは――
今までずっと日米同盟や米軍基地の存在に反対してきた日本人にとっては、絶好の機会であり福音のはずだ。
そういう人たちは一般に「左翼」と呼ばれるのだが、まさに日本左翼は一丸となってトランプを支持すべきではあるまいか。
おそらくトランプが大統領でなくなれば、こんなこと言ってくれる(そして本当にやりかねない)アメリカ大統領は、とうぶん出てこないはずである。
一方で日本の「親米保守」は、当然ながら一丸となってトランプに反対すべきである。
そうなると「日本の保守派はトランプに(アメリカ大統領に)反対し、左翼はトランプを支持する」なんていう、
ちょっと見には「逆じゃないか」という構図ができあがる。
もっとも、たとえば沖縄の熱心な基地反対派の人々の間で、トランプ大統領を支持する声が大きいなんて話は全く聞かない。
オバマ大統領のときは日米同盟破棄なんてこと全然言っていなかったのに、なぜか日本の左派(とされる)メディアでも好意的な書き方をされていたように感じるのとは、エラい違いだ。
今ここでトランプ大統領を支持しなければ、こんな千載一遇のチャンスに乗じなければ、今後何十年もこういう機会は巡ってこないかもしれないのに……