3月1日未明(日本時間)、アメリカを訪問したウクライナのゼレンスキー大統領は、ホワイトハウスにてトランプ大統領・ヴァンス副大統領らとテレビカメラの面前で首脳会談した。
そこではウクライナの鉱物資源に関する、同国とアメリカとの協定が結ばれるはずであった。
ところがどっこい、なんと彼らはその場で激しい口論を始め、とうとう会談は「決裂」に終わったのである。
その後に予定されていた昼食会や共同記者会見などは、全て中止になった。
そしてヨーロッパ諸国は一斉に――首相がトランプファンだと言われるハンガリーを除いて――ウクライナ支持を表明するに至った。
いやはや、まさに前代未聞というか奇想天外というか、あるいは不謹慎ながらエキサイティングでドラマチックというか……
とにかく、世界のどの国際政治学者や諜報機関・調査分析機関なども、予想だにしなかったような斜め上の超展開である。
仲が悪いことで有名なインドとパキスタン、または日本と韓国・ロシアなどとの外交交渉の席でさえ、こんな民放カメラの面前での「公開決裂」なんて見たことも聞いたこともない。
なんでもトランプ大統領は「平和をもたらした大統領」として歴史に名を残したい願望があるとのことだが、図らずも(?)確かに外交交渉史にしっかりと名を残したと言えるだろう。
そしてまた、再論するようだが――
少なくともトランプ政権下のアメリカは、たとえどこかの被侵略国へ軍事援助をしたとしても必ず「感謝」と「見返り」を求め、それがなければ援助を打ち切る国であることがハッキリと示されたというわけだ。
いやそれどころか、アメリカは国際政治の場において(これまた奇想天外にも)何と何とロシア陣営――これには北朝鮮が含まれる――につく、などということさえ現実のものとなりそうでもある。
(⇒ 2025年2月22日記事:トランプがウクライナを見捨てるなら日本も見捨てるだろう、当然ながら)
さて、そこでどうやったって思い起こされるのが、あのJ.F.ケネディ大統領暗殺にかかる「陰謀論」である。
その有力陰謀論によれば、かのケネディ大統領は自国のCIAその他の情報機関のどれか、あるいは軍部に暗殺されたのだという。
なぜかと言えば、CIAはケネディの信頼を失って解体の危機に瀕し、また軍部はケネディによってベトナム戦争をアメリカ撤退で終わらせられてしまうという危機感を持ったからだという。
これは、なんとも現在のアメリカの状況に似てはいまいか。
周知のとおり、トランプ政権は従来のアメリカ政府機関を「解体的出直し」の方向に持って行っている。
もちろんCIAも例外ではなく、むしろその本丸と言っても過言ではない。
そしてアメリカ軍部にとって、こともあろうに母国アメリカが、よりにもよってロシア=プーチン組の仲間入りするなど、本当に心穏やかでいられることなのだろうか。
アメリカがヨーロッパ諸国をフッてロシア・北朝鮮陣営と組むなど、そんな大転回を唯々諾々と受け入れるのだろうか。
私には、ケネディ暗殺の真犯人がCIAか軍部だったかはもちろんわからない。
しかし彼らが(もう80歳ではあるが)トランプ及びヴァンスを暗殺しようとする動機は、ケネディを暗殺したい動機よりいっそう強いはずだと思う。
そしてついでに言えば、日本政府もEU諸国もまた、トランプを暗殺する動機は非常に強くなくてはならない。
特に日本なんて、日米同盟がロシアや北朝鮮に対して発動しないとか、してもアメリカに「見返り」を求められ「落としどころ」を決められるなんてことは、絶対に認められない――といっても、どうせ認めるしかないのだが――ことだからだ。
トランプ暗殺を真剣に考える者にとって、幸いにして……と言っていいのかわからないが、
トランプを暗殺したがるローンウルフ的な「現代のリー・ハーヴェイ・オズワルド」は、そこらでいくらでも見つかるだろう。
その中には確かに、暗殺をやり遂げる力量のある者(元軍人・特殊部隊兵とか)もいるだろう。
おそらく今のトランプ大統領は、ケネディ以来「最も暗殺される可能性の高い、暗殺される理由のある」大統領になっているのではないだろうか――