イギリスの駐米大使であるダロック氏が、アメリカのトランプ大統領のことを「無能」「不適任」などと呼ばわった外交公電を本国に送っていたことが発覚したらしい。
言うまでもなく、これは大問題である。
イギリスの駐アメリカ大使がアメリカ大統領の悪口を言っていたから大問題なのではなく、
こともあろうに外交公電という絶対秘密の通信の内容がリークされるというのが、とてつもない問題なのだ。
しかし私がこのニュースを聞いて最初に思ったのは、「またイギリスか」というものであった。
何と言ってもイギリスは、1960年代――
なんとなんと、対外防諜の元締めであるMI6(かの有名なイギリス秘密情報部)の長官候補ですらあった職員キム・フィルビーが、実はソ連のKGBのスパイだったなどという、これ以上はないほどのショッキングな大失態を晒したことがある。
(もっとも、ついにはそのことを突き止めたのだから、完全な失態とも言い切れないが……)
何というか、裏切りとか重要通信の漏洩とかいうのは、イギリスのお家芸のような印象である。
もちろんその他の国でも同じようなことは起こっているのだろうし、
それどころか裏切りにもリークにも気づいていないケースはさらに多いのだろうが……
にしても、こういうことは決まってイギリスで起きる印象が拭えない。
いったい今回のリークって、漏洩元はどこなのだろうか。
たぶんイギリス外務省の中なのだろうが、どうであれイギリスの信用は(またも)ガタ落ちである。
そして、不謹慎ながら……
一度は「日本の外交公電がリークされた」なんて事件のニュースを聞いてみたいものだ。
そこに今回みたいなトランプの悪口が書いてあったとしたら、何だか面白いではないか……