プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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トランプ、NATOやめるってよ-日米同盟もまた冷戦の遺物か

 アメリカのトランプ大統領は昨年、「NATO北大西洋条約機構)なんてもうやめたい」と周囲に複数回漏らしていたという――ことが報道された。

(⇒ 時事ドットコム 2019年1月15日記事:トランプ米大統領がNATO離脱意向=周囲に複数回漏らす-報道)

(⇒ WEDGE Infinity 2019年1月14日記事:「西側同盟」を死語にしたトランプ外交)

 
 NATOは言うまでもなく、旧ソ連及びワルシャワ条約機構と対抗するために結成された、西ヨーロッパとアメリカとの軍事同盟である。
 
 しかしソ連は大昔に消滅し、残ったロシアが西欧に侵攻してくるなんてまず考えられない。

(今のロシアはウクライナとの「戦争」に忙しい。)


 元々の目的を失ったNATOは明らかに「迷走」しており、

 こともあろうにトルコが加盟国であるというのは、もはや「西欧防衛同盟」という当初の(そして大前提の)目的を見失ったものだ、と見る人だって世界中にはいっぱいいるだろう。

 言い方を変えればNATOというのは、「冷戦の遺物」の一つなのかもしれない。


 さてトランプの主張は以前から一貫していて、

「同盟国と称する国の連中は、相応の防衛費を負担していない」

「その同盟国はアメリカの貿易上の敵じゃないか」

 というのは、もちろん日米同盟にもそのまま何の通訳をすることなく当てはまる。

 実際トランプは、日本についてそうも言っている。

 このぶんだとトランプが「日米同盟は止める」と言い出しても全く不思議ではないし――

 そうなったらいわゆる日本の反米左翼の人たちはどう反応するものか、その点も興味深くはある。


 それにしてもトランプ大統領、いっこうに「丸くならない」「野性味を失わない」のは、いっそ爽快ですらある。

 アメリカがNATOを離脱する(かもしれない)なんて、ちょっと前には誰がまともに考えただろうか。

 しかし前にもこのブログで書いたが、そのトランプにしても、かのサウジアラビア及びイスラエルとだけは同盟関係を止める気配がないのはいっそ遺憾である。

(そういうことが21世紀前半中にできるとすれば、それはトランプしかいなさそうだ。)


 せっかく1756年の「外交革命」以来の第2次外交革命が起きそうなのだから――

 トランプ大統領には、さらなる大暴れを期待したい……

 と思っている人も、世界には(むろんアメリカ国内にも)とても多いのではないだろうか。