プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「異次元の少子化対策」でなく未婚化対策でなければ効果はない

 1月4日、岸田総理大臣は年頭会見で「異次元の少子化対策」を行うと宣言した。

 児童手当の拡充(増額)が目玉になるようだが、その財源の手当はこれから検討するようだ。

 まず、これは誰でも疑問に思うことだろうが――

 児童手当なり何なり、「子どもが(既に)いる世帯」への金銭援助というのは、本当に少子化対策になるのだろうか。

 もしなるとすればそれは、「塾代の補助」「習い事の補助」だろうと私などは思ってしまう。

 これこそ、子育て世帯が最も補助してもらいたいものではなかろうか。

 しかしもちろん、そんなもんまで公金(税金)で補助すべきだとは、最も過激な「子育て世帯支援主義者」でさえ口にしていない。

 だからたぶん、いや九割九分間違いなく、この異次元の少子化対策少子化対策にならないだろう。


 このブログでは何度か書いてきたことだが、私が最も少子化対策になると思うのは、「未婚率の改善」である。

 いまや50歳時点の日本人男性の3人に1人、女性の5人に1人が未婚だという。

 異次元というなら、これこそ異次元ではないか。

 こんな国は、従来の常識からは存在しえないはずなのだ。

(⇒ 2022年12月30日記事:非婚ノ国-前人未到の社会を作る日本人(と韓国人))


 じゃあ具体的に未婚率改善にはどうしたらいいかと言えば、私だけでなく皆さんにも、そして誰にも確かな名案はないだろう。

 たぶんこれは解決不能で、だから日本の少子化は改善不能の運命なのだ、本当は……

 しかしあえて言うなら、そして国の施策としてやれそうなことを言えば、それは

「全国規模の国営AI婚活」

 の構築だろう。

(⇒ 2022年10月8日記事:40代男性の4割が未婚-地元に留まると結婚できない?)


 全国民のうち希望者が、国営AI婚活に登録する。

 AIが、自分と最も相性のいい人物候補をピックアップしてくれる。

 たとえ青森県と鹿児島県ほど2人が離れていようが、国民はAIの判断を信じて結婚する。

 そして結婚しさえすれば、たいていの場合は子どもができると期待できる。 

 こうでもならなければ、日本の少子化は改善しないと私は思う。


 ……ところでやっぱり気になるのが、この「異次元の」少子化対策という言い回しである。

 「異次元」という言葉はもう流行り言葉と言っていいが、とうとうそれも首相が国の政策として口にするほど浸透したのだ。

 これも、日本銀行が長らく「異次元の金融緩和」をやってきたせい――

 いや、マスコミがそういう風に報道して世の中に流行らせてきたためだろう(笑)

 しかし「異次元」といい「モンスター」といい、その言葉は決して「良い意味」ではなかったはずである。

 それらは常識外れとか異常とか、「悪い意味」で使われてきたはずである。

 だが異次元もモンスターも、今はすっかり良い意味になった。

 「ミライ★モンスター」なんて番組で、将来期待されるスポーツ少年少女が「モンスター」をして紹介されるのだから……

 ただ、昔を思えば、男子に「悪源太」なんて名前を付けるのはけっこう普通であった。

 「悪」には、「強い」という良い意味が込められていたらしい。

 それを思うと、歴史は繰り返すというべきか――

 はたして近未来では、どんな言葉が良い意味として使われるようになるか、いささか楽しみではある。