プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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20代未婚男性の半分は一度も交際経験なし-まだまだ伸びるぞこの数字

 12月12日、リクルートブライダル総研の調査発表によると、20代の未婚男性の46%は、今までに一度も異性との交際経験がないと回答したらしい。

 しかもこれは、昨年の同じ調査の結果から一気に12ポイントも跳ね上がっている。

 ちなみに40代の未婚男性では22.9%、30代の未婚男性では41.2%が、やはり生涯交際経験ゼロ。

 そして女性の方はというと、20代未婚女性は29.8%、30代未婚女性は25.3%、40代未婚女性は26.5%。

 どうやら男も女も、「4人に1人」は生涯未婚かつ生涯交際未経験で終わるのが常識の時代になってきたようだ。

 何より、そんな中でも「いずれは結婚したい」と答えたのは男性平均43.5%(前回47.1%)・女性平均49.3%(前回59.7%)と、そもそも結婚したいと思っている人が未婚者の中で「2人に1人未満」しかいないのだ。

(⇒ 産経新聞 2023年12月12日:20代男性の46%「交際経験なし」 結婚願望は低下傾向 「金銭的余裕なく」)


 前にも書いたが、私はこの日本人の急速な結婚離れ・恋愛離れ・出産子育て離れというのは、人間の劣化・衰退とかではなく、むしろ「人間のまともな精神が社会の現実に反映してきた」もののように思える。

 これも前に書いたのだが、「仕事を終えて家に帰って、それから今度は家の仕事をする」なんてことは、「そんなのカンベンしてくれ」と思うのが普通ではあるまいか。

 自分の生活がそんなことになるなんて、考えただけでイヤになるのが当たり前ではないか。

 仕事が終わって家に帰ったら(帰らなくてもいいが)もうそこからは自分の好きなことだけする、やりたいことだけしたい、それができないのは生活の劣化以外の何物でもなく人権侵害でさえある――

 というのが、まともな現代人の心というものではないか。

(⇒ 2023年7月26日記事:日本の人口減少は「まともな人が多い」から?-「家に帰ってまで仕事したくない」のは当然では)


 そしてまた、「とにかく一人が好きな人、他人と一緒に生活することが嫌な人」と「恋愛や結婚をすることができる能力・資質がない人」を合わせれば、それは確かに世の中の4分の1程度にはなるとも思う。

 要するに「日本人男女の4人に1人は一生結婚も交際もしない」というのは、妥当な水準ではなかろうか。

 いや、2人に1人がそうであっても別段おかしくないのではないか。

 それから(いわば)逆算してみると、「20代の男の半分、20代の女の3割がいまだ一度も交際経験がない」のもまた妥当な水準に思えるのだ。

 そこで未来予測であるが、おそらく2030~40年代には、日本人の男も女もその「3分の1」が生涯未婚・生涯交際経験なしに達すると私は思う。

 それくらいまで伸びる「余地」は、十分にあると思う。

 そしてその傾向は、仮に日本の経済状態が――若年層の低年収・「上がらない給与」が――改善されても、それでも反転しないと思うのだ。

 もし反転するとすれば、それはたぶん世の中の仕事というのがハッキリと楽になった場合だろう。

 週休3日制が普及し、1日の勤務時間も6時間くらいになり、例の「繋がらない権利」が確立されて勤務時間外はいっさい神聖プライベート時間だということになれば――

 それくらいヒマになれば、ようやく人々は「家の仕事」もしてもいいか、恋愛・結婚してもいいかと思えるようになるだろう。
 
 しかしそれでもなお、いわゆる「身のほど知らずの高望み志向」はなくなることはないだろう。

 自分の望むレベルでない相手と我慢して生活を共にし、子どもを作って育てるなんて、まともな現代人男女の耐えられることではない。

 だからやっぱり近未来の日本人は、その3分の1から4分の1はずっと一人で生きていくと思うのである。

 そしてこの割合は、「そんなもんじゃないの」とみんなが何となく納得し得る水準だとも思うのだ。