ウクライナ戦争(露宇戦争)もいよいよ3年目に入ったが、ここ数日にわかに大量(と言っていいと思う)報道されだしたのが、
「ロシアの優勢・プーチン支持強固」と「ウクライナ苦戦・厭戦気分蔓延」という話題である。
個人的な印象では、これまでの報道ではそれらと全く逆、即ち「ウクライナの善戦と好戦果」の方がはるかによくトピックスになっていたはずなのだが――
これはいよいよ、ロシアの優勢が隠し切れなくなってきた現れなのだろうか。
もっともこれまた個人的には、ウクライナは依然善戦健闘していると思う。
何しろ開戦当初には、2週間くらいで首都キーウ陥落、1か月くらいでウクライナ全土制圧、という展開になるかと思っていたのだ。
これは私だけでなく、世界中の多くの人々が――各国の政府でさえ――似たようなことを思っていたはずだ。
それが2年も抗戦できて戦争はまだ続きそうなのだから、むしろたいしたもんである。
もしロシアに攻められたら2週間で降伏するのは、むしろ日本の方だろう。(米軍が介入しないとすれば……)
さて、この戦争の戦況以外で私が気になっている言葉が2つある。
一つは「軍事ブロガー」というもので、これはどうも専らロシアだけで非常に影響力を持っている(とされる)人たちらしい(笑)
むろんミリタリーブログをやっている人は世界中に何万人といるわけだが、どういうわけかそれが注目すべき人たちとして報道されるのは、ロシアの軍事ブロガーだけなのだ。
いったいこれは、なぜなのだろうか。
と言っても私はこれをあまり追求する気にならないので、次に行こう。
もう一つの気になる言葉とは、「ゲームチェンジャー」というやつである。
ドイツの有名戦車「レオパルド2」がウクライナに到着(支援供給)すれば、戦況を変える・ウクライナ優位に転換するインパクトがある……
という例のアレだ。
その他の西側の兵器についても、それがウクライナに供給されればゲームチェンジャーになる、なんてことが滅多やたらと言われてきたのだ。
ところがどっこい、レオパルド2がドイツからウクライナに初めて供給されたのは、2023年3月のこと。
それから1年も経って報道されているのが「ウクライナ苦戦」なのだから、ゲームチェンジャーって何のことなのだろうか。
ここで私が感じるのは、世界の報道機関も報道機関所属でない人たちも、
「ただ単にゲームチェンジャーって言葉を使いたいだけだろ」
という印象である。
こういう流行り言葉というか、「なぜか言いたくなる言葉、使いたくてしょうがない言葉」というのは確かにある。
たぶん世間のビジネスシーンでは、このゲームチェンジャーという言葉がやたら使われてるのではなかろうか。
この言葉の愛好者が、日本だけでも何千人もいるのではないか。
この言葉は、隠れた流行語大賞――「ビジネス流行語大賞」とでも言うべきか――の受賞作ではないか。
それにしてもウクライナ戦争だけに限って見た場合でも、次はどんな兵器が、どんなことが、ゲームチェンジャーと呼ばれるようになるのだろう。
それはたぶん、何でもいいのではないか。
何かあったら・何に付けてもゲームチェンジャーって言葉を使わずにいられない人は、何万人もいるだろうから……