プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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自治体職員の精神疾患休職10年で1.8倍…には特効薬がある?

 2月17日、地方公務員安全衛生推進協会の調査結果が公表され、全国の自治体で精神疾患により休職1か月以上した人が10万人当たり換算で2,143人(2.1%)となったことがわかった。

 これは、10年前の約1.8倍だという。それも20代と30代というまさに若手が平均以上の数値だったらしい。

 それにしても「10万人当たり2,143人」って、誰もが知りたいのは「全部で何人か」なのだが、それは報道されていない。

 仕方ないので、地方公務員安全衛生推進協会の調査本体を見てみると――

 全地方公務員(一部事務組合などを除く)数3,116,695人のうち、1か月以上精神疾患で休職した人は38,467人。つまり全体の1.2%である。

(⇒ 地方公務員安全衛生推進協会:令和4年度 総合的なメンタルヘルス対策に関する研究会報告書(令和5年3月))

 さて、たいていの自治体では職員数100人はいるだろう。 


 だからどこの自治体でも、1人くらいは「精神疾患で1か月以上休んだ」人はいることになる。

  これを多いと思うか少ないと思うかは、難しいところがある。

 「それは、そんなもんじゃないのか」と反射的に感じる人も多いはずだからだ。

 「たった1.2%か」と感じるのも、さほど不自然ではないだろうからだ。

 しかしおそらく、これは「多い」と思うべきなのだろう。

 「100人当たり1~2人は休職した(今もしている)」ということは、500人の職場なら5~10人は休職したことになる。

 不思議なことにそう考えると、にわかに「多いなぁ」と感じられてしまうではないか。

 
 さて、この「精神疾患による休職・離職」というのが増加傾向にあるんだろうなとは、誰でも思うことである。

 たぶん民間も似たような率だろうし、ひょっとするとさらに多いんじゃないかとも誰でも感じることである。

 精神疾患とは要するにストレスに潰されるということなのだが、そんな風に人間をさせる状況は、確かに10年前より今の方がより酷くなっている――

 というのも、きっと衆目の一致するところだ。

 しかし私は、これに対する特効薬みたいなものを一つ提示できると思っている。

 それは極めて簡単なことで、つまりは――

「明日辞めたら、もうこの職場とは一切関係がなくなる」

 と思うことである。

 いや、これは「そう思えば」という仮定の話ではない。

 正真正銘、それが世の中の真実だと断言してもいいと思う。

 そう、たとえ何十年を一つの職場で勤め上げようと、辞めてしまえばもう全然関係なくなるのである。

 職場の嫌な連中も電話・来客のクレーマーたちも、一切の縁が切れるのである。

 これが真実だということを、認められない人はいないのではないか。

 なるほど「人間そんな簡単に辞められない」「辞めたら生活できない」という反論は返ってこよう。 

 しかしそう反論する人たちも、一念発起して辞めさえすれば、もう今までの職場でのあれやこれやは自分と一切関係がなくなることは、決して否定できないだろう。

 私はこれは、昔のプロレスラーがよく言っていた「(相手に仕掛けられたときなど)いざというときに備えナイフを持っておく・研いでおく」というものだと思う。

 もっと一般的に言えば、いわゆる「切り札」だと思う。

 勤め人はみんな、この切り札を持っている。

 そして確かに、使おうと思いさえすればいつでも使える。

 さらに重要なのは、それを「持っていると自覚するだけ」で、かなりの精神的負担を感じないで済むことである。

 どんなに職場で嫌なことが継続してあろうと、明日辞めさえすればそんなこととも縁が切れる。

 後のことは、まさしく自分の知ったことではない。

 これは本当に、この世の真実の一つである。

 世の中、そういうものなのである。

 退職した人を追っかけて「あの客の始末を何とかしてくれ、片を付けてくれ」という職場なんて、ほぼ全く存在しないのだ。

 そういう切り札を自分は――自分だけでなく勤め人の全員なのだが――持っていると思うだけで、かなりの精神疾患は阻止できるのではなかろうか。