1月2日、羽田空港の滑走路上で日本航空(JAL)機と海上保安庁機が衝突、双方炎上した。
海保機はなぜか進入許可されていないのに滑走路上におり、そこにJAL機が下りてきて衝突した。
JAL機の方は炎上前に乗員乗客379人が全員無事脱出(ただし、貨物室にいたペット2匹は残されて焼死)した一方、海保機の方は乗員6人のうち5人が死亡するという惨事となった。
海保機は前日発生したばかりの能登半島大地震の救援物資を積んで飛び立つ直前だったというのが、いっそう悲劇性を増す。
さて、事故原因はもちろんまだまだ解明されていないが、どうも海保機が管制官の指示を聞き違えた(誤解した?)ことが有力視されている。
そして私が(きっとあなたも)そんな報道を聞いて真っ先に思ったのは――
「航空管制って、とっくにAI管制されてるんじゃないのか?」
ということであった。
私が航空管制について持っている知識と言えば、たとえ管制官とパイロットが日本人同士であっても、そのやり取りは全て英語でなされる――なされなければならない――ということくらいだ。
それ以外は全く無知の分野であり、正直なところ興味を持ったこともない。
とは言っても、日本人同士でも英語で会話しなければならないなんて、そんなことでいいんかいな……
ぜったい日本語で話した方が理解し合える場面ってあるだろ、それが生死を分ける場面もあるだろ、と感じるところはもちろんある。
さて、それくらい航空管制に無知な私だが、そういう素人の考えからすれば、航空管制ってこれ以上なくAI活用に打ってつけの分野じゃないのか、と思えるのだ。
羽田空港くらいの「忙しい」大規模空港なら、ひっきりなしに大量の飛行機が発着するに決まっている。
その差配をするのは、ものすごく複雑で大変なことに違いない。
まさにそういうことをいともたやすくやってのけるのがAIの真骨頂であり、イの一番に活用・適用すべき分野ではないか。
もしあなたが私と同じくらい航空管制に無知であるならば、必ずやそう直感すると私は信ずる。
それがそうでなく、「いまだに」管制官とパイロットの会話で指示を受けている「だけだ」とか、控えめに言っても意外に感じないだろうか。
いまやどんな小さな商品にもICタグが付き、商品がどこにあるのか客の手に取られた(そして棚へ戻された)とかがわかる時代であるのに――
飛行機にタグを付けて(それができないのならレーダーか何かで)空港内の現位置を把握しておき、それにぶつかりそうな動きをする飛行機などには自動で警告が発せられる、などの措置が取られていないというのは、いったいどうしてなのだろう。
これは批判などではなく、純粋な素朴な疑問である。
(批判するにはあまりに無知なのだ、私は。)
そして、チョチョッとネットで見たところによると、どうやら本当に航空管制の分野でAI活用はあまり進んでいないらしい。
その理由はよくわからないのだが、航空管制にはAIを活用すればいいじゃないかとかAIこそ活用せずんばあらず、などというのは百人中百人がたちどころに思うことのはずなので、何かそれなりの重大・深刻な理由があるのだろう。
しかし私には、超多忙空港の航空管制というものが管制官とパイロットの会話という「人力」でなされているということに、どうあっても「原始的」だと感じずにいられない。
そんなことをしていれば、今回の事故のような悲劇がまた繰り返されるのは保証付きではあるまいか。
繰り返しになるが、大量の飛行機の離発着を管制するなんて、まさにAIの独壇場的な活用の場としか思えない。
極論すれば、もしAIが世の中でただ一つの用途にしか使えないのだとすれば、まさにこの用途を選ぶべきだとさえ感じる。
これは素人考えに過ぎないのはわかっているが、しかしせめてAIを航空管制の補助的に利用するくらいは導入してほしいというのも、素人の願いに過ぎないのだろうか……