1月8日、ダウンタウンの松本人志が、所属する吉本興業の公式サイトを通じ芸能活動休止を発表した。
折りしも彼は週刊文春により「9年前の性加害」を報じられているのだが、それを否定する(名誉棄損)訴訟に注力するためだという。
本人もX(旧ツイッター)で、「事実無根なので闘いまーす」とコメントしている。
さて、これは大事件である。
松本人志といえばお笑い芸人界の超大物で、ドンの一人と言って過言ではない。
現に今、7本もの地上波テレビのレギュラー番組を持っている。
しかも彼は、ただ大御所のお笑い芸人・芸能人というだけではない。
いわば第二のビートたけし(北野武)のようなもので、映画監督もこなすなど、いっぱしの文化人というイメージすら付きつつある。
週刊文春にとっては「準・ビートたけし」にロックオンして砲撃したようなもので――
名にしおう文春砲としても、史上最大級のターゲットを相手にすると言っていいのではなかろうか。
ところで私は、べつだん松本人志が好きなわけでも週刊文春の愛読者でもない。
もちろん性加害という犯罪があったかなかったかは、どうでもいいというわけにはいかないが……
しかしウクライナ戦争の行く末がどうなるかということよりは、はるかに関心が低いと言わなくてはならない。
それでも、たいして関心のない第三者であってもエキサイティングに思えるのは、松本人志が本当に文春相手に裁判に訴えるつもりのようだからである。
文春砲 対 日本芸能界の大御所――
いやはや正直、こういう対決にワクワクする人は日本中に何十万人・何百万人もいるのではないか。
まるでゴジラ対キングギドラ、アントニオ猪木vsジャイアント馬場、みたいな感覚さえあるではないか――と言ってはフザけ過ぎか。
いよいよ(いつもアメリカの後追いをすると言われる)日本でも、あのO・J・シンプソン裁判みたいな国民的イベント裁判が繰り広げられることになるのだろうか。
いや、そうではなく、かつて「それしかニュースはないのか」と思うほどあらゆるテレビが放送しまくっていた、「和美さん銃撃事件・ロス疑惑」事件の再来になるのだろうか。
もしそうならないのなら、それこそマスメディアの「吉本興業に対する忖度」ということになると思うのだが……