「ベストマザー賞受賞女優」広末涼子のW不倫報道は、当事者双方がそれを認めたことで真偽の決着はついた。
しかし6月14日、それを報じた週刊文春は、今度は「広末涼子の書いた直筆の不倫ラブレター」までも公開したのである。
(⇒ 文春オンライン 2023年6月14日記事:「こんな風にひとを好きになったのは初めて」広末涼子が赤裸々に綴った鳥羽周作シェフへの“直筆W不倫ラブレター”)
その内容は、性的な内容も(かなり濃厚に)匂わせた、「清純透明感3児のママ女優」広末涼子のファンだった人にとっては大ショックものらしい。
しかしどんなことが書いてあろうと、私は賭けてもよい。
もしあなたが今まで書いたラブレター、LINEのやり取り、いや仕事上の文書でさえも、公開されれば世の嘲笑を招くものがいくつもあるに違いないことを。
いや絶対にそんなことはない、と言い切れる(ほどのバカが)世間に何人いるだろうか。
不倫相手と一緒にいて笑顔を見せる広末涼子の激写写真には、「majiで恋する表情」などとキャプションが付けてあるが――
こんな表情、あなたも誰もかも、毎日いくらでも見せているものである。
キャプションがなきゃ、誰もそんな表情であるなどと感じることができない写真である。
これは例の、香川照之の「鬼の形相」報道を思わせるものがる。
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それにしても何が恐ろしいって、こんな私事中の私事の手紙が、週刊誌というマスコミの手に渡るということである。
むろん広末涼子が書いて渡したラブレターなのだから、不倫相手の手元にあったに違いない。
しかしいくら何でも、それを無造作に自宅や自分の料理店のバックオフィスに投げ出していたなどということがあろうか。
それは、「誰かが」探り当てたのである。
その誰かは、ごく身近な人間に決まっている。
もしかしたら、不倫相手の家族の誰かなのかもしれない。
これはまだしも、くノ一なんかが忍び込んで盗み出したのかもしれない、と考える方がマシなほどの恐怖ではないか。
そしてこれって、もし広末側が「プライバシーの侵害」「私信(という物財)の盗取と無断公開」だとして裁判に訴えたなら、どうなるのだろうか。
事が「公人」の「公的活動」に関することなら広末側が敗訴することになろうが、女優や芸能人というのは有名人だから「公人」と言えるのか。
不倫って、民法上の不法行為ではあっても刑法上の罪でさえないのに、こんな現代版「市中引き回しの刑」「晒し刑」に処せられるようなことなのだろうか。
もしこれがOKなら、世間でザラにある一般人の不倫でも――
双方が送り合ったラブレターは、誰かが入手すれば「報道」「公開」してよいことになる。
あなたが浮気すれば、浮気相手との私信を公開されても文句は言えないことになる。
これが間違った理解だとするなら、どこがどう間違っているのだろうか。
私には、そんなことが許されるとするなら、最低でも不倫というものを刑法上の刑罰にしておく必要があると思うのだが……