プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

社会、ニュース、歴史、その他について日々思うことを書いていきます。【プロレス・格闘技編】はリンクからどうぞ。

香川照之「鬼の形相」と人間リスク

 日本を代表する男性俳優・超売れっ子と呼ばれ、トヨタイムズ「編集長」も務める俳優・香川照之の女性ホステスへの性加害問題だが、ついに噂の「現場写真」が公開された。

 デイリー新潮では、その写真を掲載して

「鬼のような形相で、笑いながら女性の髪をわしづかみにする姿は異様というほかない」

 と書いている。

(⇒ デイリー新潮 2022年9月4日記事:【証拠写真の別カット】異様な表情の“香川照之”がホステスの髪をわしづかみにした衝撃の瞬間)

 なるほどこんなキャプションを添えられると、異常な狂気の悪魔的笑い顔に見える。

 しかし(ケチをつけるわけではないが)思い返してみると、こんな表情をしている一般人って、日常の生活や仕事でしばしば見かけはしないだろうか。

 何ならあなたも飲み会や遊びの場では、こんな表情で笑ってるのではないか。

 しかし「水に落ちた犬は叩くべし」という現代道徳に照らせば、こんな書き方をされるのは理に叶っているのだろう。

 となるとあなたも、自分が笑っている写真は決して撮らせない方がよさそうである。


 それはともかく、困ったのは彼を持ち上げて賞賛してきたメディアの方だ。

 特にトヨタは、自社メディアであるトヨタイムズで彼を「編集長」として使ってきたのだから――もちろんお飾り編集長で、編集の仕事なんてしてるわけがないが――、実に困ったもんである。

 そしてつくづく思うのが、もう本物の人間を持ち上げて賞賛しPRに使うのは、いい加減やめるべきではないかという感想である。

 どうせ人間なんて、裏で何してるかわかったもんじゃない。

 どこからどう見ても好青年・知的紳士である人間が、実は変態性欲者であるとか異常サディズム趣味者であるとか激烈な男女差別主義者であるとかは、世の中にありふれたことだ。

 頭がいいとか演技が上手いとか関係なく、人間には裏の姿・真の姿があるものだ。

(⇒ 2017年11月14日記事:横綱・日馬富士の暴行事件と札幌「エリート弁護士」のタクシー大暴れ事件-全ての人間は「一般人」である)

 これは人間の常識だと思うのだが、それでも常識になりきれていないのは今の日本を見れば本当によくわかる。

 とにかく人間は(現代日本人は?)、どうでもこうでも誰かを賞賛し持ち上げずにはいられない性質がある――

 「スゴい人」を作らずにいられない性癖があるようなのだ。

 だから今回の香川照之事件があっても、また似たような話が何度も連続して出てくるのは間違いない。

 人間は学ばない、というのは本当である。

 人間は学ばない、と言ったり書き込んだりしている当の本人たちさえ、やっぱり学ばない。

 芸能人や有名人をCMや企業PRに使うのは全世界的な風習ではない、と知っていてさえ――それが信じがたいと思う日本人は多いだろう――、やっぱりそうすることを当分やめられないのである。