1月8日の午後、田中角栄邸(東京都文京区目白台1丁目)から出火して2階建て住宅(延べ約800㎡)が全焼し、南側の雑木林なども焼けた。
ここには田中角栄の長女で元外務大臣の田中真紀子 氏(79歳)とその夫の直範氏(79歳)が住んでいたが、2人は無事。
そして火災原因は、真紀子氏が「線香を消し忘れた」ことによるらしい。
さて、私が常々思ってきたことがある。
それは、「日本の線香は長すぎるのではないか」ということである。
あんなに長いものに火を付けて立てれば、安定が悪い(倒れやすい)ことは自明である。
そして倒れれば、受け皿から飛び出てその外のものに火が付きやすいのも自明である。
これは誰かどう考えてもハッキリしていることだと思うが、なぜ日本の線香はあんな長いものしか売られていないのだろう。
そういう私が市販の線香をどう使っているかと言えば、(当然ながら)二つに折って火を付けるのだ。
これなら背が低いので立てても安定するし、倒れても皿の中(あの細かい砂の中)に収まってくれる。
また、そもそも本数の節約にもなる。
むろん燃えている時間は半分になるのだが、半分で上等ではないか?
しかし、このメリットはこれまた誰の目にも明らかなはずなのに、なぜか「最初から長さがハーフサイズの線香」というのは売られていない(と思う。探し回ったことなどないが……)。
これは私にとって、日常における小さな疑問の一つではある。
いったい、あの「線香の長さ」というのは、守るべき伝統ででもあるのだろうか。
お香を焚く線香であればその場に人がいるので(そして長く楽しめるので)あの長さでいいが、仏壇や墓で立てる線香は今の半分の長さで十分ではないか。
だが、なぜか何十年も経っても売られている線香のほとんど全てが半分のサイズにならないのは、何か底知れぬ理由があるのだろう。
そうであるならば、そしてどうしても線香に火を付けて供えたいのであれば、今すぐ誰でも「半分に折って使う」ことをお勧めしたい。
これはいくら何でも、どんな人間でも簡単至極にできることだろうから……