2月24日にロシアがウクライナに侵攻して、3月13日で18日になる。
しかしロシア軍はいまだ首都キエフはおろか、「国境の町」とも言える第二の大都市ハリコフすら落とせていない。
気化爆弾まで使用しはじめた、と言われていながらである。
いったいこんなことになろうとは、世界の誰が予想したろう。
あえて不謹慎に言うが、全世界のミリタリーファンは、
「ロシア軍にはガッカリした」
と思っているのではなかろうか。
軍事シミュレーション小説でも戦争映画でも戦略・バトルゲームでも、ソ連軍そしてロシア軍というのは、「強大で恐ろしい敵」の役回りであった。
これを凌ぐのは、ナチス・ドイツ軍くらいのものである。
またソ連軍と言えば、「無尽蔵の人的資源」というのが(独ソ戦のせいで)ミリタリーファンには圧倒的に印象づけられている。
しかし現在のロシア軍の地上兵力は、総勢たった28万人。
じゃあ膨大な予備兵をウクライナに投入しているのかと言えば、そうじゃなく、
市街戦に馴れた(戦争自体に馴れた)シリア辺りから志願兵を募集している始末だという。
シリアは(アサド政権のシリアは)むろんロシアの子分国であるが、その子分国の助っ人兵士に助けを求めるなど、これはロシアの名折れと言っても差し支えないだろう。
いくら「ウクライナ人は同族だから、どうしてもロシア兵の士気は上がらない」と弁護してみても、これは弁護しきれないのではないか。
ああ、ロシアは昔のソ連にあらず。
無尽蔵の人的資源は、もはや昔の伝説なり――
そしてこのことを反映し、次回のパソコンゲーム『大戦略』シリーズなどは、ロシア軍の設定をどうするのだろうか。
この今のロシア軍の苦戦ぶりは、相手がウクライナだからこそだろうか。
それとも、中国軍に対しても同じかそれ以上に苦戦するのだろうか。
もしも再びフィンランドと戦ったら、征服どころかまたまた大苦戦するのだろうか。
それにしても、あのロシア軍が「弱いからこそ脅威」「弱さこそ脅威」――通常戦が弱いからこそ核兵器を使うかもしれない――という風に「恐れられる」とは、なかなか予想できなかったことである。
全世界のミリタリーファンは今、何を思う……