10月2日に行われたジャニーズ事務所の記者会見は、もちろん空前の盛り上がりを見せた。
もうこの会見、触れるべきこと・注目すべきこと等々が多すぎて、不謹慎な言い方ながら滅多に見られない「エキサイティング会見」となったのではなかろうか。
そんな中でも骨子を2つだけ抜き出すと、次のことになろうか。
(1) ジャニーズ事務所は「SMILE-UP(スマイルアップ)」という社名に改め、故ジャニー喜多川による性加害の被害者への補償のみを行う会社になる。
その他、「ジャニーズ」「ジャニ」などの名称は全て消滅させる。
(2) ジャニーズ所属タレントのマネジメントは、新たに設立する新会社が行う。
その名称は、ファンから公募する。
新会社は個々のタレントと個々のエージェント契約を結ぶ。
まず(1)だが、当初ジャニーズはジャニーズという名称を存続させるつもりであった(に違いないだろう)。
しかし当たり前のことながら、それはトンデモ選択というものであった。
なにせ「ジャニーズ事務所所属」というのは、「史上最大の(しかも同性相手の)児童姦者の仲間たち・チルドレンたち」という意味になってしまうのだ。
それは何としても、まともな神経ではなかった。
(⇒ 2023年9月8日記事:「ジャニーズ事務所」名称存続-海外進出断念と、死せる同性児童姦者への忠勤)
そこでさすがにジャニーズの名は捨てて、スマイルアップに改称である。
このスマイルアップというのは、ジャニーズアイドルたちが行っていた社会貢献・支援活動のプロジェクトの名称らしい。
それにしても、それこそ不謹慎というか能天気な名を選んだものだと思うのは、私だけだろうか。
もう少し真面目で深刻なカタい名称の方がいいんじゃないかと思うのは、それこそアタマが固いのだろうか。
この会社の業務内容を考えると、とてもスマイルがアップするものとは思えないのだが……
次に(2)だが、(1)と合わせて今回の会見を「ジャニーズ解体」と報じているメディアは数多い。
しかしこれは、解体なのだろうか。
これは普通、新会社への横滑りと呼ぶものではないか。
世の中でよくある、「会社分割で悪い部分は旧会社に残し、良い部分は新会社に移し、経営陣はほぼ元のまま」というパターンではないか。
こういうパターンは、プロレスファンにとってはお馴染みのものである。
旧団体のレスラーがほとんど出て行って新団体を作り、それが旧団体とほとんど同じメンツであるというのは、プロレス界では今まで何度かあったことだ。(ただしこの場合、経営陣は変わる。)
そしてまた、新会社の名称は公募というが――
性被害者への補償専門の会社の名をスマイルアップとするのであるから、この新会社の名がどうなるかもかなり「期待」できそうである。
それにしても故ジャニー喜多川、昔の中国なら屍を引きずり出されて鞭打たれるようなところである。
しかし現代では、「犯罪ギネスブック」とも言うべきものに載って、千載に悪名を留めることになるのだろうか。
彼のことが、今後全世界で書かれるあらゆる犯罪本において、1章を割いてでも必ず触れられるようになるのはたぶん確実だが……