10月2日のジャニーズ事務所(2度目の)会見がエキサイティングだったことは前回記事に書いたが、それがさらにヒートアップである。
1度目の会見もセッティングしたコンサルタント会社が、会見で指名すべき記者と指名NG記者を分類したいわゆる「NGリスト」を作って司会者にも配布していたことが、バレてしまったのだ。
しかも、なぜバレたのかというと――
当のコンサルタント会社の女性社員が会見場でそのリストを持ち歩いて「チラ見」状態にしたという、奇想天外というか驚天動地というか、信じられないほどザルみたいな理由による。
さらには、そのリストには「指名」ではなく「氏名」と誤記(変換ミス)されていたというオマケ付きである(爆)
(⇒ FRIDAYデジタル 2023年10月5日記事:スクープ!ジャニーズ会見で使用された「指名候補&NGリスト」現物入手&全社名公開!)
(⇒ 読売新聞 2023年10月5日記事:ジャニーズ会見NGリスト、コンサル会社「配慮に基づく進行は事務所側も了承」…「指名候補記者リスト」も作成)
さて、そのリストで「指名する」側に入っていたのは次のメディア。(敬称略)
・読売新聞(読売新聞社)
・YTV「ミヤネ屋」芸能リポーター(駒井千佳子)
・ロイター通信
対して、「指名NG」に入っていたのは次のとおり。
・「Arc Times」 尾形聡彦
・「Arc Times」 望月衣塑子
・「一月万冊」 本間龍
・「一月万冊」 佐藤章
・フリージャーナリスト・鈴木エイト
まあ、ハッキリ言うと、指名する側リストにラインナップされたのはジャニーズにとって「さすがに指名しなきゃ不自然だろう」「無難」「傀儡」と思われているメンツなのだろう。
そして、指名NGの方は「反ジャニーズ」の面々なのだろう。
何より彼らにとっては、このNG側に入っていたのが世間に明らかにされたのはジャーナリストの名誉となったに違いない。
ところで私は、このNGリストというのを作って使うこと自体は、それほど叩きまくるべきこととは思わない。
「会見自体を2時間に制限する」「司会者が質問記者を当てる」などというマイルールを設定することの是非は措くとして、もしそうすると決めたのなら、それはもちろんこういうシナリオは作るだろう。
全部が全部とは言わないが、日本で行われる会見のかなりの数が、こういうリストで下準備してから運営されているはずである。
しかし何とも度し難いのが、そういうリストを「人に見えるようにして持ち歩く」というコンサルタント会社社員の凄まじさである。
なんでもこのコンサルタント会社は、「FTIコンサルティング」という外資系の会社らしい。
(⇒ ビジネスジャーナル 2023年10月5日記事:ジャニーズ会見・記者NGリスト作成のPR会社の実態…「信じがたい」失態)
やっと本題だが、このコンサルティング会社というのは実に不思議な業態である。
コンサルタント会社自身が言うことは除き、皆さんはコンサルティング会社のいい評判を聞いたことがそんなにあるだろうか。
コンサルティング会社のおかげで救われたとか業績が伸びたとか、そんな話より「コンサルティング会社のせいで会社がダメになった」「コンサルティング会社なんてクソの役にも立たない」なんて話の方を、はるかによく聞かないだろうか。
なにせ元コンサルティング会社の人が書いた『申し訳ない、御社を潰したのは私です』なんて本が、世界でベストセラーにもなったことがある。
それにもかかわらず我々がコンサルティング会社と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、「高給」という言葉なのだ。
いったい世の中は、いや我々の心はどうなっているのか、つくづく不思議にならないだろうか。
FTIコンサルティングはそれほど規模の大きくない、中堅程度のコンサルティング会社らしい。
しかしそれでも、痩せても枯れても「ジャニーズ事務所に会見運営を任されるほど」のコンサルティング会社なのだ。
それが、この信じがたいほどの――当該社員が意図あって「わざと見せた」のではないかと疑われるほどの――ミスである。
日本会見史上に残るキング・オブ・ミス、ミス・オブ・アワード級の大失態である。
とはいえ「やはり」、コンサルティング会社ってこんなもんではないだろうか。
少なくとも会見運営なんて(たぶん本業ではない)業務については、中学校の生徒会にも劣るレベルなのが普通なのではあるまいか。
いや、他にイベント運営企業なんてジャニーズ事務所にとっては選り取り見取りだろうに、なぜにそんなにイベント運営経験もなさそうなコンサルティング会社などにこんな大事な会見の運営を委託したのか……
本当にコンサルティング業界というのは、謎に満ちた業界である。