プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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“児童姦モンスター”ジャニー喜多川の性加害は70年前から-歴史に残る現代版ジル・ド・レエ

 次から次へと底なし的に性加害の経歴が明らかになる、故・ジャニー喜多川という男……

 それにまた、新しい(そして非常に古い)証言が加わることとなった。

 7月15日、俳優の服部吉次 氏(78歳)とその小学校時代の男性友人(79歳)が会見を開き、「今から70年前(1953年)」にジャニー喜多川から複数回の性加害を受けたことを明かしたのである。

(⇒ 朝日新聞デジタル 2023年7月16日記事:「70年前、ジャニー氏から自室で性被害」俳優の服部吉次さんが証言)


 ジャニー喜多川は2019年に87歳で死去したので、1953年当時は21歳。

 もちろん児童姦が好きな人は若い時からそうであるに決まっているので、この年齢自体は驚くようなことではない。

 しかし、その相手が当時でも有名な――「東京ブギウギ」「青い山脈」は、今でも知らない人がいないくらい有名な曲――作曲家・服部良一 氏の次男だというのは、大胆不敵極まるではないか。
 
 その友人の男子小学生にも手を出すというのは、手あたり次第という表現が近いではないか。

 そして彼は死ぬまで、この性癖と性加害から足を洗うことはなかったようだ。

 今回明らかになった最古の例でさえ2人を相手にしていたのだから、以後70年間の「被害者」数は空恐ろしい。

(⇒ 2023年5月17日記事:ジャニーズ児童姦は数千人? 「衆道の国」の善と悪)

 というかこの人、この「若い美形の男の子」を性的に好むという情熱が昂じたからこそ、ジャニーズ事務所を設立したことに間違いはなさそうである。

 つまり日本の男性アイドル界は、この児童姦への猛烈な情熱によって生まれ、巨大に育ち、日本社会に定着してきたと言っても過言ではないのではなかろうか。

 日本の男性アイドル界が、このような「性欲モンスター」「児童姦モンスター」によって壮大な規模に――もっともドメスティックなものであり、世界進出は上手くいっているとは言えないが――築き育てられたというのは、まるでSF映画を凌ぐような展開だ。

 そしてジャニー喜多川という人物についてすぐ思い浮かぶのは、あのジル・ド・レエという男のことである。

 ジル・ド・レエは、あのジャンヌ・ダルクの戦友だったフランス貴族。

 英仏百年戦争で彼は奮戦したようだが、しかしそんなことより、男子への児童姦者及び大量殺害者としての方がはるかに有名――

 まさに世界猟奇史に大きく名を留める人物である。

 ジャニー喜多川は、さすがに児童を殺害はしなかった。

 しかしその犠牲者数は、最低でも70年程度の経歴を考えると、ジル・ド・レエに匹敵するものがあるのではなかろうか。

 おそらく彼の名は、世界猟奇史・犯罪史において、ジル・ド・レエのような記憶のされ方をするはずである。

 百年戦争の奮戦がどうでもよいように、ジャニーズ事務所という男性アイドル事務所を築いたことは(世界の人にとっては)どうでもよく――

 ただただ、その大規模な児童姦ぶりが記憶・記録されることになるはずである。

 すなわち、現代版のジル・ド・レエ、現代版の「青髭」として……

 はたして彼のことを、コリン・ウィルソンあたりが生きていたら、どう書くだろうか。