今の日本でほとんど毎日ニュースになっているネタ、それは「秋篠宮家」である。
そしてそのニュースの内容と反応(ネットの書き込み)と言えば、まさに「1億総バッシング」であるかのような勢いだ。
とにかく秋篠宮家のメンバー一同、皇嗣秋篠宮殿下、紀子妃、(結婚して家を出た)眞子さん、佳子さま、悠仁さま、この人たちが何をやってもバッシングニュースのネタになってしまう。
(⇒ デイリー新潮 2023年7月14日記事:佳子さまが「どうしてこういう反応になるのでしょうか」と漏らされたという宮内庁の「別居発表」)
しかし皆様、ご記憶だろうか……
現天皇が即位する前は、週刊誌をはじめとするメディア一同は、ほとんどこぞって現天皇の妻(皇后)である雅子さまをバッシングし続けていたことを。
夫である現天皇をも、批判の対象としていたことを。
これに対する秋篠宮家の評判は上々で、特に眞子さま・佳子さまの美人姉妹ぶりはしばしば賞賛の対象となっていたものである。
それがいまや、立場は完全に逆転――
これが天皇位の威力というものだろうか、天皇自身はもちろん、皇后雅子さまへのバッシングなんて「あれは何だったのか」というくらい跡を絶った。
それに対する秋篠宮家は、まるで悪の巣窟みたいな言われよう。
これは今のところ、21世紀の日本人のした最大の「手のひら返し」だと思わずにいられない。
そしてもう一つ、思わずにいられないのは――
この秋篠宮家バッシングというのは、天皇制の廃止・滅亡に繋がるだろうというごく素直な感想である。
言うまでもないが、秋篠宮殿下は皇位継承順位第一位の「皇嗣」。
そして次の世代の男子皇族は、その息子の悠仁さまただ一人。
いくら愛子天皇(女性天皇)待望論が盛んだからと言って、男子のみが皇統を継ぐという皇室典範の規定がすぐに変わる見通しはない。
だから次の天皇になるのは、秋篠宮殿下か悠仁さまのどちらかだと決まっている。
それなのに、まるで国民総出でこの2人を連日バッシングしている。
これが近未来の天皇制の恐るべき暗雲だと思わない人は、よほどどうかしていると言っていいだろう。
いや実際、あなたも世の右翼団体や右翼人士に聞いてみたいところではないか……
皆さんはこの国民的皇族バッシングをどう思っていますか、何も言わないのですか、意見はないのですか、と。
しかし我々は、現天皇と雅子妃に対する(臆面もない)手のひら返しを、既に何事もなかったかのように経験している。
そうすると次の天皇に秋篠宮殿下か悠仁さまが即位したとき、また何事もなかったかのように手のひら返しを見ることになるのだろうか。
いくら何でもこれだけボロクソ・クソミソに叩きまくっておいて、そんな恥知らずなことはあり得ないように思えるが……
だがそういうことは現実に起きるのであり、
またそうでなければ、天皇制の近未来ははなはだ危険だと思うのだが。