4月26日、お茶の水女子大付属中学校に一人の男が侵入し、秋篠宮家の長男である悠仁さまの席に包丁2本を置いて帰ったという。
その包丁は刃の部分がピンクに塗られ、2本を並べるようにアルミ棒の先にテープで巻かれていたという。
その槍のようになったものを、悠仁さまの席と隣の席に橋を架けるように置いていたらしい。
(⇒ 産経新聞 2019年4月27日記事:悠仁さま机にピンク塗った刃物 作業員風の男、正門通過 お茶の水女子大付属中)
(⇒ テレ朝ニュース 2019年4月27日記事:棒の先に槍のように 包丁2本が悠仁さまの席に)
なんでもお茶の水女子大付属中はお茶の水女子大学のキャンパス内にあり、その出入口には検問所みたいなものもあるが――
男は工事業者を装って、力づくでも忍び込みでもなくキャンパス内に侵入することができたらしい。
しかし悠仁さまはクラスの授業でその教室に不在であり、最悪の事態は免れた。
はたしてこれが最初から悠仁さまを狙った犯行だったのか、
最初から「包丁を置いていくこと」だけが目的だったのか、
もちろん現時点では何とも言えない。
しかし、あらかじめ包丁の刃をピンクに塗っておき、テープとアルミ棒も用意していたという点から――
初めから殺人の意図はなく、(常人には却ってよくわからないことではあるが)包丁を置いていくことだけが目的だったとも思える。
(そして実際、生徒らの姿を求めて徘徊したりもしなかったようだ。
なによりも殺人は犯されていない。)
一方で、わざわざ「大学の中にある中学校」を狙うところは、初めから悠仁さまがターゲットだったとも思える。
それにだいたいの犯罪者は、中学校より小学校を目指すものである。
とはいえ、もし悠仁さまがターゲットでなく、そもそも悠仁さまがその中学校にいるということさえ知らなくても――
あなたがもしこの侵入者で、たまたま入った教室の生徒の机に「秋篠宮悠仁」なんて書いてあったら、それはその机を急遽ターゲットにするのは「人情」というものである。
いずれ犯人は逮捕されるに決まっているので、そこのところの真相は聞いてみたいものだ。
今回の件で「警備がザル」であることを非難するのは容易い。
こんなことじゃ天皇家の一員でさえ簡単に暗殺されるじゃないか、と騒ぐのも容易い。
しかし言うまでもないが、暗殺というのは仕掛ける側にとってとても有利なゲームの一種である。
要塞のような所に四六時中閉じこもっているならともかく、外に出て生活を送る以上、狙う隙は必ずある。
むしろ我々は、要人の暗殺が世界中でこんなに少ないことに驚くべきではあるまいか。
それはたぶん、暗殺してやろうとまで思い詰める者がまず少なく、暗殺計画を立てて準備するような根気のある者がまた少ないからだろう。
しかしここに、「現代病」とも言えるような、「あえて暗殺未遂して名を上げる」という動機がある。
正確に言えば、「初めから暗殺する気はないが、暗殺をほのめかすようなことをして有名になりたい」という動機のことだ。
人を殺さないのだから、死刑はならないのはわかっている。
暗殺する気が本当に初めからないのだから、刑期も短くて済むだろう――
現代日本に生きる人なら、これくらいの予測は誰でも立つはずである。
もちろんその中には、何とかして有名になりたい、たとえ匿名であっても世間を騒がしたくてたまらない、という人が必ずいるのだ。
そういう場合の「ターゲット」として、確かに皇室のメンバー以上のものは日本にはないだろう。
おそらく、この手の「ソフトテロ」「ニュース化のための低強度テロ」は、これからの日本で大きく増えていくはずである。
そのターゲットには、有名人であれば誰でもなる可能性がある。
「自分のことがせめて一度はYahoo!ニュースに載りたい」という願望が抑えきれない一般人の裾野は、増えていく一方のはずだから……