5月27日、ベラルーシのルカシェンコ大統領(68歳)が病院へ緊急搬送されたとのこと。
なんでも、ロシアのプーチン大統領との密室会談を終えた直後に重篤な状態へ陥ったらしい。
無理もないことではあるが(笑)、これはプーチンに毒を盛られたのだという憶測が、ネットではもっぱらの盛況である。
ベラルーシは言うまでもなく、ロシアの公然かつ強固な――世界でただ一国と言っていいほどの――同盟国である。
そこで独裁的支配を敷くルカシェンコは、プーチンの最も強固な盟友とされる。
ここでの盟友というのは、もちろん「子分」と言い換えられる。
(ロシアとベラルーシに言わせれば、日本の首相もアメリカの「子分」ではあるだろうが……)
とはいえルカシェンコは、必ずしもプーチンの言いなりというわけでもない。
これには、本当にそんな傀儡になってしまえば却って自らの国内外での権威が失われる、ということもあるだろう。
だからこそプーチンに毒を盛られたのだという話も反射的に出てくるのだが、どんなものだろう。
とにもかくにも唯一の「盟友=子分」を始末するというのは、プーチンの評判をさらに下落させるに違いない。
その後釜に「プーチン派」の誰かを据えたところで、それがプーチンの「忠犬ポチ」と見なされるのはわかりきっている。
そういう存在に甘んじる人間が確かにいることは、世界史が物語っているが――
しかしそんな人間が、ロクな終わりを全うしたことはほとんどない。
そんな人間は周囲から必ずやバカにされるものであるし、ちょっとでも誇りがあればそんなことには耐えられないだろう。
たぶん今回のルカシェンコ重篤搬送は、プーチンの毒殺犯行ではないと思われる。
ルカシェンコは以前から健康不安が公然と言われていたことでもあるし、「もう寿命」といったところではないか。
さて、それにしても思うのだが――
このベラルーシにせよロシアにせよ、その政府閣僚とかの写真を見ていると、実に「高齢男性」ばっかなのである。
わが日本もさんざん「高齢者男性支配」の国だと言い立てられているものだが、
しかしロシアだの東欧だの中央アジアだのの「権威主義陣営」の国々なんて、とても日本の比ではない。
いやむしろ世界には、「高齢男性支配」でない国の方が少ないような気がする。
そして私は、ベラルーシ国民や全世界の高齢者の皆様には大変申し訳ないことであるが……
やはりこんな高齢者揃いの指導層の国には、未来がないと思うのである。
少なくとも、未来があると感じさせるビジュアルではないと思うのである。
これは私だけでなく、みんなそう思うのではなかろうか。
こんなのに比べれば、(色々問題はあるとしても)日本を含む自由主義陣営の方がはるかに未来を感じさせる。
別に若い男女が閣僚に入っていれば、あるいは最高指導者であれば即OKというわけではないが――
やっぱり高齢者ばっかが指導層の国というのは、不健康で活力がない(と他の者には見える)のは真実ではあるまいか。
あのソ連の末期も完全に高齢男性ばっかの支配層だったが、どうも旧ソ連の国々というのは、そういうソ連の悪しき伝統もいまだ受け継いでいるようである。