プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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ロシア究極最終兵器「ポセイドン」…があってもウクライナに勝てないの巻

 まるでノストラダムスの大予言(の解釈)のようにセンセーショナルなニュースが、ミリオタのブログではなくFNNで報じられた。

 ロシアが究極最終兵器とも言うべき「ポセイドン」なる原子力核魚雷を開発中で――

 その最大100メガトンの威力は「放射性物質を含む高さ500mの津波」を発生させ、

 平野部であれば内陸500㎞の距離までもその津波が到達するというのだ。

 しかもポセイドンは「水深1,000mを時速130kmで進み」、航続距離は原子力推進のためほぼ無限なので、射程の限られた通常のミサイルではほぼ迎撃不可能だという。

 まさに宇宙戦艦ヤマトとかそれに類似するSFアニメ・特撮作品に出てくるような最終兵器、夢の究極兵器である。

 余談であるがこの「ポセイドン」という名前、プロレスファンならたちどころに思いつく映像がある。

 それは大日本プロレス岡林裕二が変身した姿であり、その髪のない頭には2本のツノのように「便所掃除のカッポン」を吸着させているのである……


 と、それは余談だが、この手の「夢の超兵器」には浅からぬ歴史がある。

 その最も有名なのが「レールガン(超電磁砲)」というものだが、私の記憶が確かなら、すでに1980年代にはその実用化が云々されていた。

 いや、そういえば80年代には、レーガン大統領の提唱したSDI構想(スターウォーズ計画)――宇宙空間でレーザー兵器で敵の大陸間弾道ミサイルを撃ち落とす――というのもあった。

 ああいうのはいったい今どうなっているのか、そういえば不思議に思っている人も多いだろう。

 あれから30年以上が経つのだが、「夢の超兵器」の現実はこんなものだ、と言っては言い過ぎか。

 
 またまたそういえば、アメリカは核兵器はもちろん月に行く超技術まで持っていたのに、ベトナムの北半分に負けた。

 旧ソ連は、既に100メガトンの核爆弾ツァーリ・ボンバを作っていたのにアフガニスタンで負けた。

 夢の超兵器だろうと超技術だろうと、たとえそれらを持っていても戦争に負ける――というのは、世の中で結構ありふれた事例である。

 そしていくら何でも、500mの津波はまだしも、内陸500㎞までそれが到達するというのはフカシ過ぎではないかと思わずにいられない。

 また、こう言っては何だが、ポセイドンと言えども所詮は核兵器――つまり威力も世界の反響も大きすぎて使えない、という核兵器の一種である。
 
 もし本当にポセイドンにそれほどの威力があってプーチンが本当にそれを使うのなら、もちろんロシアは滅亡だろう。
 
 そんなことならむしろ、プーチンは生き残らない方が幸せだ。

 どうもこの夢の超兵器ポセイドン、当面のウクライナ戦争にはあまり影響するとも思えない。

 それはアメリカの月に行く技術力がベトナム戦争にあまり影響しなかったのと、かなり同じ匂いがする。

 むしろこんな(使えもしない)ものに戦局挽回の期待をかける――本当にかけているのか知らないが――あたり、ロシアの通常戦能力というのは非常に頼りないものだという印象を受けるのだ。