プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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アメリカ、INF(中距離核戦力)全廃条約から離脱へ-「第二のスターウォーズ計画」で次の仮想敵国・中国との新冷戦はまたアメリカの勝ち?

 またまた「暴走大統領」トランプがやらかした――

 と、世の中の大半の人は反射的に思うに違いない。

 トランプ大統領は10月20日、ロシアとのINF(中距離核戦力)全廃条約から離脱すると述べた。

 これは1987年にアメリカのレーガン大統領と旧ソ連ゴルバチョフ書記長(懐かしい……)が結んだもので、世界史の教科書にほぼ確実に載っているほど有名な条約である。

www.bbc.com


 まるでトランプ大統領は「何でも離脱男」のようだが、今回離脱する理由は――

「何年も前から、ロシアは条約に違反して中距離核兵器巡航ミサイル)を開発しているから」とのこと。

 そして公には語られないもう一つの理由は――

「この条約は米ロ2国間だけのもので、他の国つまり中国はこんな条約(当然ながら)お構いなしで中距離核兵器を開発・配備している。

 こんな条約に縛られてたらアメリカが後れを取ってしまう」というものらしい。


 ロシアが本当に条約違反のミサイル開発をしているか私は知らないが、非公式の理由の方はなるほどもっともな話に聞こえる。

 ただし私は、どうせ核兵器なんて実際には使えないのだから、INF条約があろうがあるまいが核戦争勃発の可能性に関してはあんまり関係ないんじゃないの、とは感じる。

(いや、どうせ核兵器は使えないのだから、それにカネを使うより通常軍備の方にカネを使った方がいいはず。)


 しかしこれ、あくまで部外者の意見である。

 実際に核兵器を配備して保有している国にとっては、たとえ使わないものであっても「持ってる数を抜かれる」と危機感を持つのは、人情として非常にわかる。

 そしてどうしても思い出してしまうのは、INF条約を締結した当のレーガン大統領が打ち出していた、伝説的な「スターウォーズ計画」である。

 これはソ連の発射する大陸間弾道ミサイル(超長距離ミサイル。ICBM)を、宇宙に置いたレーザー衛星とかで迎撃するという、軍事ファンにとってはとても「夢のある」計画だったのだが、結局実現はしなかった。

 しかしこれ、巷間言われているところでは――

 ただでさえ経済的に苦しかったソ連に対抗軍備のためのカネを使わせ、とうとう破綻させてしまったという、深謀遠慮の高等大戦略だったそうだ。

(これもホントかウソか、私は知らないが……)


 もしかしたらトランプ大統領は、今度はロシアと中国の2国まとめて「軍備競争で経済破綻」を狙っているのだろうか。

 しかし(私などが知っているくらいだから)中国だってそんなこと当然知っているはずである。

 とはいえ世の中には、「わかっちゃいるけどやめるわけにいかない」ことがあるものだ。

 アメリカが核軍備を充実させるなら、その仮想敵国(になったに決まっている)中国が、対抗措置をとらないわけにはいかない。

 そして今の中国というのは、滅亡直前のソ連とまではいかないが、ある程度はそれに近い脆さを持っているようにも感じられる。

 確かに今の中国は世界最大の経済大国ではあるが、じゃあアメリカとの軍備競争に勝てるかとなると、まだまだ到底そこまでではなさそうである。

(中国はまだ空母を一隻しか持っていない。

 そして中国は、日本にボロ負けした黄海海戦以来、一度も本格的な近代海戦をやったことがない。

 この差だけでも埋めるには、莫大な時間とカネがかかるはずだ。)


 レーガン大統領は、スターウォーズ計画で当時ボロクソに叩かれた。

 計画自体が空想的だとか、反平和的だとか――

 しかし今ではレーガン大統領、歴代の中でも「偉大な大統領」の一人とされている。

 ということはひょっとして未来には、トランプが「第二のレーガンと褒め称えられる可能性もあるわけだ。

 「柳の下にドジョウは二匹いない」とも言われるが、さて、これはどうなるか……