「人口14億人の巨大市場」を呼号している中国の人口が、実は10億人程度だったという疑惑が噴出しているとのこと。
昨年、中国の上海警察のデーターベースがハッキングされて盗み出されたデータから、そう推測されるそうだ。
(⇒ ニューズウィーク日本版 20923年3月15日記事:水増しされていた中国の人口、「本当は10億人だった説」の衝撃──ハッキングでデータ流出)
まあ、本当に真の人口が10億人だとしても、それでも巨大人口ではある。
また中国のあの悠久広大な大地を考えれば、共産党政権と言えども把握しきれない人口がたくさんあっても不思議ではないと誰もが感じる。
おそらく中国は世界最大の「秘境大国」であって、未発見の世間と隔絶した集落だって、いくらでもありそうではないか……
とはいっても、さすがにそれで「差分4億」を埋め合わせるのはできそうもない。
中国共産党王朝の統計データが信頼できないということ自体は、日本人にとっても常識のうちである。
しかし、かといって、他にデータがない以上はその数値を使わざるを得ない。
私が学生時代の地理の資料集には、あの北朝鮮の農業生産性が他国に対してぶっちぎりで高かったことを思い出す。
「こんなわけないだろ」と思いつつも、どうせ「主催者発表」のデータしかないんならしょうがないか、などと思っていたものである。
ちなみにプロレスファンは、こういう思考に慣れている。
かつてプロレス興行の「集客数」の主催者発表は明らかに過大で、明らかにそんな人数が入ってない(入るわけない)のに、5000人とか発表されていたものだ。
さて、本当に今の中国が「人口水増し」を続けているのかはともかく――
確かに中国がついに訪れた(隠せなくなった?)人口減少に危機感を抱いているのは、本当のようではある。
しかしつくづく思うのだが、その中国は長年にわたり「一人っ子政策」をやってきたのだ。
そんなことすれば人口減少するのはわかりきった話であり、この世の最下等のバカでもそれがわからないはずはない。
なのにそんなバカなことが、現実に起きている。
人間はいったい、どこまでバカになれるのだろうか。
ちょっと昔の中国政府の指導者たちというのは、能無しのアホばっかりだったのか。
(⇒ 2022年7月18日記事:人間みんなバカなのか-「中国、人口世界一陥落に危機感」)
しかし全く同じようなことを、日本人もやっている。
2000年前後の就職氷河期には、あらゆる企業が(官公庁も)採用数を絞り切ったものだが――
そんなことすれば将来の中堅層・マネジメント層が足りなくなること、人員構成がイビツになるのは、わかりきったことであった。
それでも日本人は、そんなことをやったのである。
よく人間の「集合知」は素晴らしいと言われるが、そんな知性はたいして当てにならないことを、これほど大規模に示した例があるだろうか。
そういえばあなたも、日々の仕事で「昔のバカの尻拭いをしている」と思うことはないだろうか。
まったく(もう職場にいない)「諸先輩方」というのは、実に先の見えない――または先のことは考えない――バカタレ揃いと思ったことはないだろうか。
ああ、しかし、後生畏るべし――
いつか他ならぬ自分たちがそんなことを思われないように、先のことを考えたいものである。
しかしやっぱり、「一人っ子政策をやっておいて今になって人口減少に危機感を持つ」というのは、手の施しようのないバカ集団と思わずにいられないのであるが……