プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「悠仁さま東大進学」で皇室は国民からさらに遊離するだろう

 数年前からず~っと言われ続けてきたのが、「秋篠宮悠仁さまの東京大学進学計画」である。

 特に母親である紀子さまが、息子の東大進学に執着していると言われている。

 2022年、悠仁さまは「超・進学校」とされる筑波大学付属高校へ進学した。これが東大進学計画の布石とされる。

 ところが筑波大付属高校へは、一般入試でなく提携校進学制度という「特別なルート」によって入学したのだった。


 そして2023年11月には、例の「トンボ論文」の発表。

 それは国立科学博物館の出版物に掲載され、小学校時代から10年以上にわたる赤坂御用地秋篠宮邸周辺のトンボについて研究したものだった。
 
 それは3人の連名となっていたが、特にそのうち1人は日本のトンボ研究の第一人者とも言われる。

 しかし「筆頭研究者」の名は、現役高校生である秋篠宮悠仁――

 これがまた東大推薦入試の材料として使われる(使うための)ものだと、もっぱらの評判なのだ。


 さて、べつだんアンチ秋篠宮家でもない私は思うのだが――

 もし悠仁さまが本当に東大へ行ったとしたら、それは皇室にとって全然いいことではないだろう。

 もっとハッキリ言えば、完全な悪手になるだろうと思う。

 なぜならそれは、

「皇室の学歴主義への屈服」

「皇室までが学歴主義に染まった」

 ことになるからだ。

 平たく言えば、「感性や考えることが、そこらの一般ピープルと同程度に成り下がった」とでもなろうか。

 またこれは、「皇室は上級国民との結合を選んだ」ともなろうか。

(⇒ 2022年2月16日記事:悠仁さま高偏差値高校へ「提携校進学制度」で進学-皇室と学歴主義の未来)


 私が思うに、従来の皇室の「強み」というのは――

 上級・上流だろうと下級・下流だろうと、高学歴・高収入だろうと低学歴・低収入だろうと、

 そんな枠とは関係なく日本国民を一視同仁する、等しき仁愛なる存在(とイメージされている)ところにあったと思う。

 日本人は「人には上下がある」という信念と道徳観をこよなく愛しているのではあるが、しかし天皇・皇室の前では「みんな同じ日本国民」という観念もまた、並行して持ってきたように思うのだ。

 だから天皇と皇室は、一般世間の学歴主義・学歴社会を超越した存在であった。

 今ではある意味、日本において学歴主義に対抗できる唯一の「権威」であるのかもしれない。

 しかしそれが、東大を目指し「東大卒天皇」になろうとしている――少なくとも母親はそうしたいと言われている――という。

 これは、みすみすせっかくの「強み」を捨てるものだと思うのだが、みなさんはどう思われるだろう。


 国民の圧倒的多数の「東大以外」卒から遊離し、

 同時に皇室が学歴主義の軍門に下り、国民の中の上級国民・上流階級へと「下りていく」。

 これはまさに、今まで滅び去って来たヨーロッパなどの王朝と大変よく似た社会的地位に自らを置くようなものだ。

 たとえて言えば、「イギリス王室化」とでも言おうか――

 おそらく「初の東大卒天皇」の誕生は、天皇制の廃止までとは言わずとも、日本国民統合の象徴から「世界のセレブキャラの一種」への変化には繋がるだろう。

 しかしそれも、明治維新以来率先して西欧化を進めてきた皇室の、当然の帰結というか末路・必然というものかもしれない……