プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「悠仁さま東大進学」で皇室は上級国民認定される

 最近の皇室ニュースは、「天皇家嫡子の愛子さまアゲ・皇嗣家の秋篠宮家サゲ」のブームである。

 これがかつては「皇太子と皇太子妃(今の天皇と皇后)サゲ」ブームであったことを思い返すと、隔世の感がある。

 いや、また似たようなことが繰り返されていると思うべきだろうか。

 そして、小室圭さん・眞子さんに続く新たな秋篠宮家サゲのネタが、

悠仁さまの東大進学計画」

 である。

 なんでも今15歳の秋篠宮家長男・悠仁さまには、東京大学に進学する目論見があるというのだ。

 本人の意思かどうかはともかくとして、とにかくそう言われている。

(忘れられているかもしれないが、愛子さまにも東大進学が噂された時期はあった。)


 これが秋篠宮家サゲのネタになっているのは、またしても(眞子さんについて言われているような)皇室特権を使って、推薦入学で東大に行こうとしているとされているからである。

 ところで私は、推薦入学だろうが(ズル特権だろうが)一般入試だろうが(実力だろうが)、

 基本的には将来の天皇が東大卒の肩書きを持つことは、皇室にとってマイナスだろうと思っている。

 なぜならそれによって皇室は、いよいよ一般国民から「上級国民」扱いされるのが確定的だろうからである。

 皇室が上級国民なのは当たり前、という意見もあろうが、ここでの上級国民とは「けっ、いいよな上級国民は」と言われる場合の上級国民である。

 つまり皇室は上級国民視され、下級国民からの支持を失い、反感さえも買うだろうということだ。

 
 だいたい皇室崇敬者にとって天皇と皇室というのは、

 「日本人なら地位の上下や貧富の格差に関わらず、分け隔てなく慈しんでくださる存在」

 であるはずである。

 そうであるからこそ尊い、ということになるはずである。

 つまり皇室は、一般俗世の学歴ヒエラルキー社会の枠外にあり、そんなものを超越した存在であるべきもののはずである。

 しかし、その皇室の皇族が、あえて学歴カースト社会の頂点である(というもっぱらの雰囲気である)東京大学への進学を目指す……

 これは私には、皇室の栄誉や威信の増大に資するのではなく、

「ついに皇室まで東大学歴カースト制度の軍門に降った」

 ように見えるのだが、世間の人はそう感じないのだろうか。

 
 少し前の「学歴不要論」は、幻想であった。

 それどころか現代日本は学歴至上主義、中でも東大至上主義が「庶民に大ウケ」する社会となった。

 中には、それが日本人たるものの持つべき「道徳律」であると思っている人さえいそうである。

 そしてついに学歴主義は、皇室の中の人をも陥落させるに至った――

 悠仁さまがもし本当に東大に進学すれば、それは皇室が俗世を超越する立場から俗世の階級社会に下り、そこで上級国民の位置を占めるようになった……

 と感じる下級国民は、非常に多いはずである。

 そして今でさえ(ぶっちゃけて言えば)世の下級国民は、皇室の動向とは全く関係のない日々を送っている。

 もっとぶっちゃけて言えば、明日皇室がなくなってもそんなの全然関係ない人は、国民の9割以上を占めているはずだ。


 もっとも、皇室が「上級も下級も分け隔てなく」接し、逆に支持されてもいる――

 という立場から

 「自ら上級国民の仲間入りして、上級国民にシフトする」

 というのは、マーケティング戦略というか生存戦術の観点から、完全に間違っているとも言い切れない。

 だいたい世の王室というのはそんなものだ、国民一般からというより上層階級の支持を受けて成立しているのが普通なのだ、と言われればそれはそうかもしれない。

 我らが天皇が東大卒だ、となれば「スゴいスゴい」と支持する国民は、(下級国民であっても)たくさんいるのかもしれない。

 まあ、まだ悠仁さまが東大に行くと決まったわけでもないのだが……

 しかし皇室が上級国民化の道を行くのか、そういう風に見なされるのか、それは皇室の未来にとって非常に重要な選択となるだろう。