プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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“頂き女子りりちゃん”を生む「異性と喋るのに大金を払う」心

 11月2日、“頂き女子りりちゃん”を名乗って複数の男性から2億円以上を騙し取り、かつ騙し取りマニュアルを作成して約2000万円を売り上げたという詐欺幇助の罪で、25歳の女性の初公判が開かれた。

 彼女はもう、(比較的若い世代の間では)知らぬ者もないくらいの有名人である。

 それにしても、圧倒的大勢が思っていることだと思うが、彼女の顔の造形はそれほど優れているわけではない。

 多くの男性は、なんでこの程度の造形の女に騙されてカネを貢ぐ男がいるのか、バカじゃねぇか、と思わずにいられないだろう。

 しかしこういう分野で「成功」するのは、必ずしも目も覚めるような美人ではないのは経験的な常識である。

 美人どころか、こんな女とセックスするなんて男にとって悪夢としか思えないような女でさえもしばしば複数の男性の人生を狂わせる(終わらせる)ことがあるのは、かの有名な「鳥取連続男性不審死事件」とかで見るとおりなのだ。

 だが、それはそれとして、誰も今回の25歳女性の「有能ぶり」を否定することはできないだろう。

 なにせマニュアル――どうせたいしたことは書いてないのだが――の売上だけで2000万円のゲットである。

 いったい彼女をバカにする男女のうちの何人が、こんな成果を上げられようか。

 明らかに彼女には商才があるのであって、その点は凡百の男や女たちの到底及ぶところではない。

 いわば彼女は、知的毒婦といったところだろうか。

 

 さて、しかし――

 そんな彼女が「男性騙しビジネス」に開眼したきっかけは、「20歳からホストにのめりこみ、(自らが勤務する)風俗店の客に金を無心したところ、男性の心を満たすことでお金がもらえるようになったのでマニュアルを販売した」ことらしい。

 これも多くの人が思うことだろうが、男性が風俗店に行くのはまあわかる。

 しかしカネを無心されて(風俗嬢がカネに困っていると言っているのを鵜吞みにして)本当にカネを払うというのは、実に面妖なことである。

 いや、これですら、「いざ面と向かって言われれば、断れる人は少ない」という理由で説明できることかもしれない。

 なにせこんな知的毒婦の彼女でさえ、「ホストにハマる」すなわち自分がホストにカネを払うことが動因で、他人を騙すようになっているのだ。

 女性がホストにハマる、男性がキャバ嬢・風俗嬢にハマるというのは、いまや社会問題の一つである。

 そして私がそもそも全くわからないのは、そういう社会問題の根底にある「異性と喋るのにカネを払ってもいい」という感性である。

 私にとって、女と喋ることの価値はゼロである。

 もちろん、そんなことに一円も払おうとは思わない。

 ところが世の中には、そんなことに極めて高額の価値を見出す人が男女を問わず多い――一大産業として隆盛するほど多い――らしい。

 いくらキャバクラ嬢と喋るのが楽しいからって、いくらキャバクラ嬢が「すご~い!」とか言って「共感」してくれるからって、それが商売であるのはわかりきったことである。

 いくらホストが自分を大いに認めてくれるからって、それが商売でありカネを使わせようとする意図に基づくものであるのは、サルでもわかりそうな話だ。

 そんなことがわからない人間がいるなんて、にわかには信じがたいことではあるまいか。

 ところがどっこい、世の中にはそんな人間がウジャウジャいる模様なのだ。

 この「カネを払っても異性と喋りたい」「大金を払っても異性と一緒にいたい」というのは、私にしてみれば百害あって一利ない病的精神である。

 これこそ「諸悪の根源」と言っても過言ではないだろう。

 カネを払って異性と話すのが楽しい、そういう人間は「付き合ってはいけない」人間として遠ざけるのが、現代の護身術というものではあるまいか。