プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「鳥取の大毒婦」死刑囚は窒息自然刑にールッキズムへの挑戦

 1月14日、あの「鳥取連続男性不審死事件」により死刑囚となった上田美由紀(49歳)が、広島拘置所において死亡した。

 食べ物を喉に詰まらせての窒息死だという。

 彼女は2017年に死刑確定していたのだが、結局執行されないまま今回の死亡となった。

 いわば、自然による死刑執行というところだろうか。

 おそらく、絞首刑よりは苦痛が大きかったと思われる。 


 さて、毒婦といい、奸婦といい、妖婦という。

 上田死刑囚は、現代日本における毒婦の双璧であった。

 もちろんもう一方は、あの木嶋佳苗死刑囚である。

 この二人、本当に瓜二つの様式の殺人をしている。

 そして手口ばかりでなく、外見もまた「美人でスタイルがいいとは到底言えない」で共通していることを、知らない人は少ないだろう。


 この二人の犯罪を見聞きして、こう思わない男性はおそらくいない……

 いったいどうしてこんな女たちが何人もの男を手玉に取れるのか不思議でたまらない、

 オレなら決してこんな女を好きにならない、こんな女を相手に勃起なんてするはずがない――
 
 などと。

 いや、女性でさえも、こんな外見で何で男が寄ってくるのか理解しがたいはずである。

 しかしその不思議と不可解は、実際に起こったのだ。

 しかも一人や二人でなく、何人もの男性の身に――

 何よりもこの事実が、男性陣の心胆を寒からしめるのではなかろうか。

 こんなこと思ってるオレだって、いざとなれば「こんな女」のドツボに嵌るのかもしれない……

 これはもう、サイコスリラーの世界である。

 そしてまた、世を覆うルッキズムの風潮への挑戦と言ってもおかしくはない。
 
 実際、この二人には「ファン」が多いのではなかろうか。

(もっとも、木嶋佳苗のファンの方がはるかに多そうだが……)


 この容姿で何人もの男を手玉に取れる、たいした困難もなく殺すまでに至らしめられる。

 この事実を、いわば「痛快スカっと漫画」みたいな感じで受け止める人は多いと思う。

 あるいは、「希望の物語」みたいに感じる人もいるだろう。

 しかし一方、希望は絶望にもつながる。

 すなわち、こんな容姿の女でさえ何人も男を得られるのに――金ヅルにもできるのに――、どうして自分は一人の恋人も得られないのか、という絶望にも簡単につながる。

 こんなことを思った女性、そして男性もまた、非常に多いのではないか。

 
 はるか昔から、凶悪犯罪者が一種のヒーロー視されるのは、ありふれたことである。

 ダークヒーローが「共感」「憧れ」「スゴい感」を集めて「悪の魅力」を放つのは、今に始まったことではない。

 そして今回、ダークヒロインの一人が自然によって死刑執行された。

 同じタイプの残る一人は、よりいっそう悪の魅力を高めると思われる。