プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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子ども時代の「思い出作り」「習い事」に効果はあるか?

 子育てにはカネがかかるという。

 カネがかかるのが、少子化の大きな要因になっているという。

 このうち最大の因子が「教育費」なのだと言われているが――

 その附属費というか周辺費用もまた、多岐にわたり多額に上る(のだろう、きっと)。

 そういった周辺費用の中でピックアップできそうなのが、「習い事」費用と「思い出作り」のための旅行・外出費用である。

 さて、私はこの2つについて、常々疑問に思ってきた。

 そしてまた皆さんも、たぶん同じはずである。

 疑問とは端的に言えば、この2つはいったい本当に子どもの役に立っているのだろうか、

 現代人の価値判断基準とされる費用対効果(コスパ)があるのだろうか、

 というものだ。


 まず「思い出作りのための家族旅行・外出費用」だが――

 皆さんは、世間の人は、子ども時代のことなんてそんなに憶えてるものなのだろうか。

 私など自慢じゃないが、子ども時代のことなどほぼ完全に記憶がない。

 それは、本当に自分には子ども時代ってあったんだろうかと疑問に思うほどである。

 これは極端な例かもしれないが、しかしあなたは率直に言って、子ども時代に親と行った旅行のことってそんなに憶えているものだろうか。

 また記憶があったとして、それがその後の人生の役に立ったと思っているだろうか。


 次に、習い事である。

 これは種類も本当に多岐にわたり、しかもなんだか、ほとんどの子どもがそんなことをやっている(やらされている)感覚にすら陥る。

 たぶんあなたも、子ども時代に習い事を一つや二つはやっていた(やらされていた)のではなかろうか。

 で、それは、役に立ったか。

 小さいときに習い事をやってて、今にして思えば良かったもんだと実感するか。

 何か、確かにメリットがあったと言えるか。

 私はどうも、ほとんど全ての人にとって、これらの質問への答えは「否」だと思えて仕方ない。

 そして、こうも思うのである……

 恐ろしいことに日本の親たちは、みんなこぞってとんでもない無駄な投資を――浪費を――しているのではないか、と。

 学校に加えて「当然」塾に行かせるという教育重武装だけで(中世ヨーロッパの騎士のように)よろめいて金銭的に倒れそうなのに、

 なおかつ習い事や思い出作りという経験武装を施そうとして、それで「子育てにはカネがかかる」と言っているのではないか、と。

 しかも、塾はともかくとして――

 習い事や思い出作りの旅行とかで子どもの才能を開花させようというのはバクチか宝くじにカネを投じるようなもので、

 それどころかリターンがまるでゼロ(記憶ゼロ)という悲惨な結末が高確率で待っているのではないか、と。


 いったいあなた自身は、子ども時代の家族旅行や習い事が本当にタメになったとかよく憶えているとか、思っているだろうか。

 あなたはそうだとしても、他の人たちも大半はそうなのだと思うだろうか。

 もしかしたら日本の子どもの「思い出作り」と「習い事」は、世界史上最大級の国民資金の浪費なのかもしれない――

 と、疑う気持ちは起こらないだろうか。