7月31日、自分の子どもである3男を殺害した容疑で、神奈川県大和市の42歳女性が逮捕された。
(事件が起きたのは、2017年4月のこと)
しかしそれだけでなく彼女、今年2月にも次男を殺害(2019年8月)したとして逮捕されている。
さらにはその他の長男(生後5か月)・長女(生後1か月)の2人までも死亡しているのだ。
(⇒ FRIDAY DIGITAL 2022年8月3日記事:子ども4人全員が不審死…42歳母親「児童相談所への逆ギレ怒号」)
この事件では珍しく、児童相談所が叩かれていない。
なぜなら児相は子どもを施設入所させようとしたが、母の猛反発・逆ギレ罵声を浴び――
横浜家庭裁判所に審判を申し立てたが却下され、仕方なく子どもを彼女の元に戻したからだ。
つまり誰が悪いかと言えば、家裁とその裁判官が悪いことになっている。
本論に入る前に言っておくと、児童相談所の職員というのはつくづくイヤな仕事である。
まともな感性を持つ人間なら、絶対にこんなところで働きたいとは思わないだろう。
これはまさに減点主義そのまんまの仕事であって、児童を救うのが当たり前で話題にもならず、しかし守れなかったら世間からボロクソに叩かれる。
こんな仕事に就きたいと思うのは、もはや今の世の中では変わり者の部類に入る――
と、若い人が感じたとしても全然無理はない。
(本当に、こう思っている人が多数ではなかろうか。)
しかしそれはさておいて、どうにか今の体制・法制のまま、子どもを救える方法はないだろうか。
児童相談所に警察権、すなわち裁判所の令状があれば個人の家屋に踏み込める、さらには子どもを強制的に毒親から引き離せる……
そんな権利を与えるべきだという声は延々と根強いが、当面はそんなことにはなりそうもない。
今回の事件は裁判所・裁判官が悪者になっているが、しかし裁判官に言わせれば、「証拠がないんだから仕方ない」「証拠を出せなかった児相が悪い」ということになるに決まっている。
であるならば、児相が探偵に依頼して親の動向を探る・証拠を収集するというのは、ダメなのであろうか。
役所が探偵に依頼して市民の動きを探る、などとなればそれは拒絶反応が強いだろうが――
しかしそれこそ、しょうがないと言うべきことではないか?
児相の職員が張り込みや尾行なんかする人的余裕はなかろうし、そのスキルもない。
証拠がなければ警察も裁判所も動けないというのなら、探偵に頼んで証拠を掴むのに何のおかしなことがあろう。
ついでに言えば、探偵業界にとっては公的機関から社会正義のために仕事を受けることになるのだから、これは一種の名誉でもある。(費用も割引してくれるかもしれない。)
はたしてあなたは、児相が児童虐待の証拠を収集する手段として、探偵に調査を依頼する以外に何か考えつくだろうか。
浮気調査なら探偵に頼むこと一択なのに、なぜ児童虐待調査ではそうしてはならないか。
そして、証拠がないから裁判所に保護措置を却下され、現実に児童が殺されているという事実を、どう考えるか。
もし有効な代案があるなら、ぜひ提言すべきだと思うのだが……