日本学術会議の推薦する者6名を、政府が任命しなかった「事件」について――
日弁連も学者たちも、ほとんどこぞって「任命しないのは違憲・違法」と大反発している。
(⇒ THE PAGE 2020年10月23日記事:「速やかに違憲・違法状態解消を」 学術会議、任命拒否の早大教授が菅首相に要望)
(⇒ THE PAGE 2020年10月23日記事:学術会議の任命拒否問題で学者が会見(全文1)任命拒否は明らかな違法行為)
私は、思わずにいられないのだが――
この学者連合(with日弁連の弁護士たち)と菅政権の争いは、国民世論的に菅政権の圧勝となるだろう。
一般国民の目には、この学者連合というのは、
「特権階級が既得権益を守ろうとしている」
「既得権益を脅かされて、逆上してわめいている」
としか見えていないだろうからだ。
(ついでに言えば、日弁連が絡んできているのもマイナス材料である。
個々の弁護士はともかくとして、「日弁連は左巻き」というのは、もはや国民の共通認識のようなものだ。
つまり日弁連が味方した側は、自動的に左翼のレッテルを貼られる。)
tairanaritoshi-2.hatenablog.com
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政府からの独立性をウンヌンするなら、初めから政府の(機関の)中に入らなけりゃいいだろう、というのが一般国民の常識というか良識である。
「我々が推薦した者は無条件で任命すべきだ、そうじゃなきゃ違法だ違憲だ」
というのは、鼻持ちならない特権階級・圧力団体の言い草だ――
というのが、一般国民の普通の感覚である。
そしてまさに、そういう普通の感覚の方が、世論では多数を占めているのではなかろうか。
私は菅首相が、あるいは政府の中の誰かが、最初からこういう効果を狙って6名の任命を拒否したのだとは思わない。
おそらく本当のところ、こんな大騒ぎになるとはあんまり思っていなかったのではなかろうか。
しかしもし、これが最初からこういう効果を狙って意図的にやったものだとしたら――
それは、諸葛亮孔明ばりの恐ろしい慧眼ではないだろうか。
これで菅政権は、学者連中を「特権階級の既得権益擁護者」と印象づけることができた。
引いては、政権・世論に対する学者の影響力を弱めることができた。
(もっとも、それが弱めるに値するほど強かったのか、という疑問はあるが……)
あるいは、もし報道されるように菅首相が「叩き上げの政治家」であるならば、
文系の(そう、理系は除く)「学者茶坊主」連中ごとき、手もなく政治的にひねってしまえるのだ、ということだろうか。
もしそうだとしたら、菅首相の権謀能力というのは、安倍前首相のそれより数段は上――
という片鱗を、我々は見せられたのかもしれない。