自分で書いてまるで「にっかつロマンポルノ」のような記事タイトルだと思ったが、しかしそんなタイトルがふさわしいような事件である。
後輩の20代男性消防士に暴行を加えたとして、大阪府の茨木市消防本部の男性職員3名(47歳・34歳・33歳)を懲戒免職とした。
その暴行の内容というのは、読むも悲惨なものである。
(⇒ 朝日新聞 2019年11月12日記事:後輩の消防士を逆さづり・炎の前通らせ… 幹部懲戒処分)
まず消防士長34才と消防副士長33歳は、
●消防署の車庫で、被害者の体をロープで縛ってポンプ車の手すりに逆さ吊りにして放置。
●ライターの火に殺虫スプレーを噴射して火炎放射器みたいにし、被害者にその前を通らせる。
●別の被害者の首に自動血圧計を巻き付け、顔や眼球から出血させる。
次に消防司令補47歳は、
●以上の暴力行為を口外しないよう34歳と33歳に指示し、自らも上司に報告せず。
●被害者を押し倒して全身を30回以上蹴る。
と、まあ、私が「SM暴力消防署」という言葉をすぐ思いついたのも、無理はないと思っていただけるのではなかろうか。
なんでも加害者側は動機として、「若い職員とじゃれ合って、強いチームを作ろうと思っていた」などと語ったそうである。
タガの外れたバカというのは、まさにこういうのを指して言うのだろう。
このブログでは、こういう行為が往々にして日本の職場で発生し、はびこるのは、「上下関係があるのが道徳」だとみんなが思っているから、ということを書いてきた。
つまりこれは、一握りのバカや異常者が突出してそんなことをやっているのではなく――
国民全員の草の根の、暗黙の道徳的支持があるからこそ起こる現象である。
tairanaritoshi-2.hatenablog.com
日本人は、どこにでも上下関係を見る。
人と人とに上下の区別があるべきだと思っている。
それが人の道であり、この世のまっとうな道徳だと思っている。
もしそれがないとすれば、意地でも無理にでも作ろうとする。
とにかく日本人のうち相当の多数が、何が何でも上下関係が大事なんだと信じたがっているかのようだ。
しかし私は、こういう人たちは――
日本の職場・社会の効率だの競争力だのというものを、最も低下させている元凶だと思っている。
こういう人たちがいる限り(多数である限り)、日本はアメリカにも中国にも、さらにはフィリピンにもインドネシアにも勝てないし追い抜かれると思っている。
つまり一言で言えば、こういう人たちは「国賊」なのである。
こういう手合いがいなくなれば、日本の社会も職場はもっと健康になるだろう。
もっと風通しが良くなり、働くことが楽しくなり、競争力は劇的に回復するだろう。
日本人はそろそろ、こういう国賊を討つことに真剣に動くべきである。