「失われた文明」ファン(の大部分である男性ファン)は、もう勃起が止まらないのではないか。
今度CNNが報じたのは、新たなレーザーマッピング技術により、グアテマラ北部のマヤ文明地域で――
数十の「都市」跡地と、その建造物6万超が見つかった、というものである。
つい半年前には「巨大水中洞窟」でマヤ文明の遺物・遺跡が発見されたばかりだというのに、どうしてこんなにマヤ文明はアツいのだろう。
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今回の調査者たちによれば、マヤ文明は高度で大規模な都市国家(まるで古代ギリシャのポリスのようだ)が道路網で結ばれており――
なんとマヤ文明全体の総人口は、これまでの推定の数倍の「1000万人」に及ぶかもしれない、という。
そして別の研究者らは、そのマヤ文明が滅亡した原因を「大規模な干魃」とそれによる「内戦」によるもの、と断定しているようだ。
しかしこれ、本当ならつくづくエラいことである。
マヤ文明の滅亡は9世紀のこととされているが、日本の人口が1000万人を突破したのは「早くても15世紀」と考えられているらしい。
ということは9世紀のマヤ文明の滅亡は、同時期の日本が滅亡したのと同等以上の規模だということになる。
そんな大文明圏の人口の90%が死滅し、数多くの都市がジャングルに覆われ忘れ去られる……なんてことが、旧世界の誰も知らないうちに起こっていたのだ。
まさしくこれは「現代のアトランティス」ならぬ「中世のアトランティス」で、その時代に生きて死んだマヤ人のことを度外視するなら、壮大で魅力的なロマンである。
それはこの現代の日本列島が森林と草むらに覆われ、レーザー探査で奈良の大仏や平安京の跡がやっと見つかったようなものだろうか……
ところでこれだけ発達したマヤ文明だが、どうも現代の研究をもってしても、その影響が中米(ユカタン半島)外に広がっていたという証拠はないようである。
私には何かいかにも、マヤ人がカリブ海の数多い島々を「発見」したり、植民地化を試みていたような気がするのだが……
(それくらいなら、船でなくても「大型筏」で何とかできそうだ。)
しかし不思議なのは、新世界(南北アメリカ)の名だたる高度な古代文明が揃いも揃って、旧世界でのように「構造船」を持たなかったらしい点である。
「筏」と「丸木船」(それに葦船)から「部材を組み立てて作る船」への進歩は、そんなにも超えがたいものなのだろうか。
あんな壮大なピラミッドや都市群や天文暦を作ることができたのに――
どうして木材を組み合わせて船を作る、そして外洋航海できる船を作る、という発想に至らないのだろう。
それは「木材で家を作る」ことをしているのなら、いとも簡単に思いつくように思えるのだが……
いやいや実は我々は、まだマヤ文明の「船」を見つけていないだけかもしれない。
いつの日かその遺物がカリブ海の島々で、南米北岸で、ペルーで……
そして驚くべきことにアフリカの西海岸で見つかったとしても、なんだか意外ではないほどのマヤ文明の勢いである。