プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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ナスカの地上絵「マンガ」新発見-やっぱりこれはお地蔵さん?

 マヤ文明とナスカの地上絵は、「古代文明の不思議」界における男のロマンの二大巨頭である。

 どちらもここ数年、次々と新しい発見が続いている。

 中でもナスカの地上絵の方は、ドローンとAIの活用により百点単位で新発見がなされている。

 そしてこのたびも、山形大学の研究グループが新たな地上絵168点を見つけたと発表された。

 その報道では、写真1点だけが掲載されているが……
 
 そこに映っているのは、幅4メートルサイズの

「手のない、頭がやたら大きい、おかっぱ頭のオバQ

 みたいな人物像なのであった。

(⇒ 共同通信 2022年12月8日記事:ナスカ地上絵、168点新発見 山形大、ドローンやAI活用)
 
 私はそんなに遠くない過去、ナスカの地上絵として新たに「ヘタクソな猫」が見つかったというニュースについて記事を書いた。

tairanaritoshi-2.hatenablog.com


 そのときのヘタ猫の地上絵も衝撃的だったが、今回の人物像もなかなかのものである。

 この人物像を見て、まるで20世紀の日本の4コマ漫画の登場人物のようだと思わなかった人がいるだろうか。

 なんなら、子どもの頃にオレこういう絵を描いたことあるよという人も、日本中に何百万人もいるのではないか。

 もう、最近のナスカの地上絵は、見つかるたびに神秘性を喪失していると言っても過言ではない。

 いくらなんでもこれらの絵を見て、「ナスカの地上絵は古代の宇宙文明の痕跡」なんて思うのは極めて難しいだろう。

 まあ、一周逆に回って、「20世紀の日本の漫画を先取りしていた!」と騒ぐこともできるのだろうが、それはもはやロマンとは言えまい。

 そして私は、つくづく思うのだが――

 やっぱりナスカの地上絵というのは、古代のナスカ人にとって「昔の日本人にとってのお地蔵さん」じゃないのかと感じるのである。

 彼ら自身にとって地上絵が神秘で神聖だったとか言うより、親しみのある存在だったのではないかと思うのである。

 それはむしろ、現代日本の田んぼにしばしば立ててある「面白カカシ」「面白マネキン」、

 アメリカの街の入口にあるような「ようこそ****タウンへ」の看板みたいなものじゃないかと思うのである。

 
 しかしそれにしても、あの神秘を感じさせる巨大な「鳥」の地上絵と、最近発見される地上絵との極端な落差は、いったい何なのだろう。

 なんだか、同じ民族・種族が描いたとは思えないほどこれらは「違う」。

 もちろん現代でも「4コマ漫画」と「アーティスティックな美麗イラスト」は共存しているので、何も不思議なことではないとも言えるが……

 ある意味この「違い」は、ナスカの地上絵の新たな神秘でありミステリーとも言えるだろう。