1月17日、北朝鮮の国営朝鮮中央通信は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が1月15日の最高人民会議で――
韓国との統一はもはや不可能であり、北朝鮮憲法を改正して韓国を「第1の敵国」に定めるべきだと述べた、と報じた。
(⇒ BBC 2024年1月17日記事:金正恩氏、「南北統一」の目標を放棄 韓国を「第1の敵国」に定めるべきと)
どうも、北朝鮮に係る戦争勃発の可能性は、ここ10年くらいの間で最高度に高まってきているようではある。
ただ、今まで北朝鮮が朝鮮半島の南北統一を志向してきたというのも、結局は韓国を併合しての統一を目指していたということだろうから、今回の「路線変更」も実はそんなに路線変更じゃないだろう、という気もする。
しかし本記事で述べたいのは、そういう国際情勢や軍事情勢についてではなく、この北朝鮮の憲法というものについてである。
今回の報道では、キム・ジョンウン総書記は「憲法を改正し、韓国を第1の敵国として定める」と言ったという。
これはつまり、北朝鮮憲法の条文に「わが国の第1の敵は大韓民国(南朝鮮、と書くのだろうか)とする」と明記する、ということなのだろう。
いや、それにしても、純粋に思うのだが――
そんなこと憲法の条文に書いてる国というのは、世界中で他にあるのだろうか。
これはあまりに常軌を逸している、控えめに言っても「ズレている」と思うのは間違いだろうか。
そして、これを機に「北朝鮮の憲法 全文」で検索してザザッと読んでみたのだが……
いやはや、同じことをした人は誰でもこう思うと思うが、
日本人にとって最も馴染み深い日本国憲法と比べ、ホントに同じ憲法の仲間なのか、と感じない人っているのだろうか(笑)
私はぜひ、誰かが日本の憲法学者たちに「この北朝鮮の憲法を読んでどう思いますか?」と聞いてほしい。
意外にこういうことは日本国憲法成立以来、インタビューしたことのある人はいないのではなかろうか。
しかし、特に新聞社などは何かといえば憲法学者の意見を紙面に載せることが多いのだから、北朝鮮の憲法をどう思うかくらい聞いていいのではないかと思う。
何なら日本の憲法学者全員に、北朝鮮の憲法についてどう思うかのアンケートを送ってもいいくらいだと思う。
それにどんな答えが返ってくるか、別に憲法や北朝鮮に興味がある人ではなくても、ある程度の興味は持てるような気がする。
ほら、あなたも聞きたくありませんか?
日本の憲法学者たちの、北朝鮮憲法に対する感想や評価というものを。
そして日本の新聞社は、こういうときこそ日本の憲法学者にインタビューを申し込むべきとは思いませんか?
だって憲法とか「権利」とかに関する裁判の際は、必ず絶対と言っていいほど憲法学者のコメントを紙面に載せるのだから。
そして他ならぬ憲法学者たち自身も、ぜひ自主的に北朝鮮憲法に対する感想を述べてほしいものである……