12月1日、毎年恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」(『現代用語の基礎知識』選)2023年度版が発表された。
その年間大賞は「A.R.E.(アレ)」――
プロ野球・阪神タイガースの岡田彰布監督が、リーグ優勝を示す隠語として使っていた言葉である。
さて、近年の流行語大賞について書くときどうしても思わずにいられないのが、
「なんじゃそれ」
「ホントに流行ってたか?」
という2つの感情である。
阪神タイガースは、今年38年ぶりの日本一に輝いた。
しかし流行語大賞って、そんなことに「忖度」して選ばれるものだろうか。
特に今回の「A.R.E.(アレ)」なんて、いったいどこのどいつが使ってたのかと問い詰めたくなる――いや、自分の方が異世界を生きているのではないかと不安になるくらいのものだ。
はたしていつの頃からだろう、この流行語大賞というのが、全然流行してるとは思えない言葉を年間大賞に選ぶようになってきたのは……
(⇒ 2019年12月2日記事:2019流行語大賞は「ONE TEAM」…って知ってる? 新語・流行語大賞は「遅れた旧世代向けイベント」?)
今回候補に挙がったのは、「生成AI」「チャットGPT」「蛙化現象」等々――
と、誰がどう考えても「A.R.E.(アレ)」よりは世間に普及・流行しただろう言葉たちである。
むしろ逆に、なんでその中で「アレ」なんてのを年間大賞に選べるのか、その感性が測り知れないと思うのは私だけではないだろう。
日本国民の「断絶」とか「分断」とかが広がって来たとはよく言われるが、この流行語大賞こそそんな時代を象徴している……
大袈裟ながら、そんなことも感じるのである。
そしてこれって、冠スポンサーである「資格のユーキャン」の威信に関わるものだとも思うのだが――