12月6日、運転手を自称する日立市在住の53歳男性が、日立市役所前広場のイベント会場と東海村役場庁舎正面玄関に、「わざわざ別の車に乗り換えて」相次いで突入した。
日立市役所前では障害者イベントが開かれており、これで3人が怪我をして病院へ(しかし命に別状はない)。
東海村役場ではこの男だけが怪我をして、当然に逮捕された。
なんでもこの犯人は、「東海村に恨みがあったからやった」と言っているらしい。
では日立市役所前に突入したのはなぜなのかという話になるが、自分の住んでいる地元の役所だから――きっと東海村役場よりは恨みを抱く機会が多いはずだが――だろうか。
それにしても、思わずにいられないのだが――
もちろんこの事件、一歩間違えば大惨事であった。
特に最初のイベント広場突入は、ケガ人でなく死者3名であっても全くおかしくなかったろう。
にもかかわらず重傷者すら出なかったというのは、この男の「無能」と言うべきか、それとも躊躇と言うべきか。
そして「本命」のはずの東海村役場であるが、はたしてこの男は死ぬ覚悟だったのか、「自分はケガで済むだろう」という半端な覚悟だったのか。
また、もし日立市役所前でイベントをやっていなかったなら、彼は日立市役所正面玄関に突入するつもりだったのだろうか。
何にせよ、どうせ車で建物に突入するなら爆弾を積んでしなければあまり意味がないように思うのは、世界のテロ事件の報道に影響され過ぎなのだろうか。
なるほど確かに爆弾は自作できないかもしれないが、車にガソリンや可燃物を積んでおいて直前に火をつけてから突入するというのは、死ぬ覚悟があれば誰でもできそうなことではないか。
となるとやはり、自分が死ぬつもりではなかったのだろうか。
なんか、恨みを晴らすにしては不徹底というか、はなはだ不確実で意味の乏しいように思えるのは気のせいか。
とは言っても、こんなことがたびたび起きるなら(実際にちょくちょく起きているのだが)、今後のイベント会場は(大規模なものでなくても)車両進入を完全に防ぐ措置が必要になってくるだろう。
むろんカラーコーンやポールを置くだけでは全然ダメで、車が猛スピードで突入してきても揺らがないくらいの重いものを置かなくてはならない。
しかしそんなことが全てのイベント会場でできるわけもなく、日本中のイベント会場は依然無防備なままでいるだろう。
だからこそ、このブログで腐るほど書いてきたように、「ヘンな奴」対策は現代日本の最重要課題だというのである。