プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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男性の「身長淘汰」-21世紀の性淘汰は動物の世界に戻る (上) 

 女性が恋人や結婚相手としての男性に求める要素として、イの一番に挙げられるのが「身長」だという。

 婚活サイトの場では必ずその欄が設けられ、それを使って「足切り」する女性が多いらしいのも、よく知られている。

 女性が設ける男性の身長要件は「165センチ以上」だったり「170センチ以上」だったりするが、総じて「最低でも、自分より高くなくてはならない」と集約されるようだ。

 いや、恋人候補・結婚候補どころか、「170センチ以下の男に人権はない」と言ってプロゲーマーを解雇された女性もいるくらいである。

(⇒ 2022年2月16日記事:女性プロゲーマー「身長170cm以下の男に人権なし」-女心のキモさについて)


 おそらく現代女性(少なくとも婚活する日本女性)の意識の中では、男性の身長というのは第一条件・第一基準になっているのだろう。

 男性にとっては「第一関門」であり、一定の数値に達しなければ競技の場に出ることも許されず門前払いを食らうことになるのだろう。

 少なくとも婚活市場においては、身長160センチ未満~160センチ代前半の男性は、「完全対象外」「人ではないよ」みたいに扱われるのであろうか。

(⇒ 女子SPA! 2023年4月8日記事:婚活で雑に扱われる33歳女性。相手を「身長163cm“以下”」で探し始めた驚きの結果)


 さて、これについて全然深く考えなくとも誰でも思いつくのは、自然淘汰」「自然選択」という言葉である。

 もう少し絞って言うと、「性淘汰」「性選択」という言葉である。

 これらは言うまでもなく進化論に由来する言葉だが、今まさにそれが現代日本で起こっている、と思われる。

 もちろん、身長170センチ未満の男性だろうと、結婚し子を儲けている人はいくらもいるにしても――

 しかし婚活市場がこんな按配では、身長が低い男性は著しく不利なはずである。

 成婚どころか、コンタクトを取ってくる女性が出てくることさえ難しいはずである。(なにせ足切りされるのだから……)

 ということは必然的に、身長が低い男性は結婚できず、子を成さない可能性が有意に高いことになる。

 ある個体に生存・生殖における有利さが少しでもあれば、やがてその個体の特性が集団全体に広まっていく。

 そうでない個体の特性は、消えていく。

 これが淘汰の過程なのだから、数十年後の日本社会はおおむね「身長の高い男女」ばかりに置き換えられていくというのが予想される。

 むろん、背の低い男女は子孫を残さず絶滅・断絶する(という傾向になる)。

 これについて不思議なことは何もなく、誰もが素直に納得するだろう。