全く知らない人たちではあるが――
韓国のプロ女子バレー選手で双子のイ・ジェヨン、イ・ダヨン両名について、過去の校内暴力の加害者であることが(被害者のネット告発で)明らかになった。
そして2月15日、所属の興国生命ピンクスパイダーズは両名に「無期限での出場停止」を、
大韓民国バレーボール協会は「無期限の国家代表資格剥奪」を発表した。
何でも両名は、オリンピック代表選手候補としても期待されていたそうである。
そしてこれに続き、男子バレー選手におけるイジメ加害行為も連鎖的に暴露されたとのこと。
(⇒ Wow! KOREA 2021年2月15日記事:学生時代の校内暴力認めた女子バレー韓国代表”双子選手”、国家代表資格「無期限はく奪」=大韓バレー協会が公式発表)
いきなり蛇足になってしまうが、日本と韓国はどれほどいがみ合って嫌い合っていようと、基本は似たもの同士ではないかと私などは思う。
聞くところによると、韓国でのイジメ問題もなかなか壮絶だそうである。
その点もちろん、日本だってタメを張っている。
今回の韓国での出来事だって、日本で同じことが起こらないのが不思議なくらいである。
いや、日本でだって同じようなことがないワケが絶対にないのだが、むしろ明るみに出るだけ韓国の方がマシなくらいかもしれない。
それはともかくとして――
つくづく思うのが、「スポーツは心を育てる」という迷信についてである。
これがファンタジーでありタワゴトであるのは、ちょっとでも現実世界で暮らしたことがあるなら誰でもわかりそうなものだ。
しかしこれこそ不思議なことに、このファンタジーはちょっとやそっとじゃ揺るがないくらい大人気なのである。
そうじゃないという現実を誰もが毎日のように見ていても、やっぱり人気なのである。
おそらく未来の人たちは、現代の我々が「昔の日本人は、狸や狐が人を化かすと本気で信じていた」のをバカバカしいと思うのと同じくらい、このことを信じられないのではなかろうか。
スポーツマンが(スポーツウーマンが)「イジメなんかしない、清い心」を持っているなどというのは、幻想である。
論語を読んでいる人でさえクズやロクデナシは歴史上腐るほどいたというのに、何でそんなことが信じられよう。
スポーツをやれば、あるいは観戦するだけでも、その人は心に良い影響を受ける――というのもまた、インチキ療法である。
いったい大相撲の観客席にいる人たちは、いい人ばかりだろうか。
イジメなんかしたことはなく、今もしていない人たちだろうか。
私は今まさに(職場や地域で)リアルタイムでイジメをしている人がいると思うし、その人の心がスポーツ観戦で純化されるなんて、全くないことだと断言する用意がある。
そしてまさかあなたは、彼らが精神修養の一環として観戦に来ているなんて、夢にも思わないだろう。
私は別に、スポーツを敵視しているわけではない。
しかし、あまりにも根拠のない、かつ現実にそうではないファンタジーを現実だと受け入れることない。
ましてや迷信やインチキ療法には、はっきりとノーと言う。
スポーツをしようとしまいと、心のねじ曲がった者はねじ曲がっている。
スポーツでそれが直ることはない。
もちろん絶無とは言わないが、そんな可能性は1割くらいと思っておいた方が良い。
そして現代の「スポーツ信仰」「スポーツ迷信」は、後世からは間違いなくバカにされることだろう。