9月5日、ネス湖のDNA調査を行ってきた国際的科学者チームは、
●ネス湖に未知の生命体のDNAは全く発見できなかった。
●しかし大量のウナギのDNAを発見した。
●ネッシーの正体は、巨大化したウナギかもしれない。
と発表した。
「やはり」、あの首長竜型のネッシーなんているわけない、という証拠がまたも重ねられたのである。
(⇒ 時事通信社 2019年9月5日記事:ネッシー、存在せず=正体は巨大うなぎか-科学者チーム)
そもそもネス湖は氷河期の産物で、恐竜滅亡からはるかに最近になってできた湖だ。
そしてもちろん、首長竜ほどの生物が本当にいるのなら、もっともっと頻繁に目撃されていなければ絶対におかしい。
それは「ネス湖は実は、地底にできた穴で外海と繋がっている」とした場合も同じで――
首長竜は海上に首を出して呼吸しなければならないのだから、今まで何度も日常茶飯事の如くその姿が目撃されていなければおかしい。
だから今回の科学者チームの発表も、ほとんど全てのUMAファンにとって「予想どおり」としか感じられなかったろう。
ただ私は、それでも「首長竜タイプ」ではなく、「初期型ネッシー」の存在が気にはなりはする。
初期型ネッシーとは、「樽みたいな太った胴体」に「細い首(?)」と「小さな小さな脚(?)」が付き――
「陸上を這うようにして道路を横切った」とされる、
あの「外科医の写真」(超有名な、水面から首長竜の首をまっすぐ突き出している写真)以前の目撃情報のことである。
それをも超巨大ウナギだと言うのは、やはり説得力に欠けるとしか言いようがない。
(なお、スペンサー夫妻による陸上目撃があったのは1933年、外科医の写真は1934年)
なお、ネッシーの目撃情報というのには、どうしても「宇宙人の目撃情報」との類似性が感じられる。
1933年以来、ネッシーを陸上で目撃したという話は、少なくとも私は全然聞かない。
ネッシー目撃情報において、「陸上タイプ」はほぼ完全に跡を絶ったと言っても過言ではない。
これと同じく、宇宙人目撃情報においても――
その初期には呆れるほど多種多様なタイプの「宇宙人」の目撃談があるというのに、今となっては宇宙人と言えばいわゆる「グレイタイプ」、
すなわち宇宙人と聞けば誰もが思い浮かべる、サブカル化した「胎児みたいに頭の大きなアーモンド型の目」のグレイに収斂された観がある。
あのカニの手を持つ宇宙人、四角い透明ガラスのヘルメットをかぶった宇宙人、羽で飛ぶ妖精ソックリの宇宙人は、今どこに行ってしまったのか。
そして「陸上を這って移動する」樽みたいなネッシーは、どこに行ってしまったのか。
それとも一部の人が言うように、UFOも宇宙人もネッシーも、物理的現実ではなく「心霊現象(精神現象)」の一種だというのが、もしかしたら正しいのだろうか。
だからこそ、目撃される姿や形態が、一般人の持つイメージに収斂されてしまうのだろうか。
これだからネッシーの謎は、どんなに調査しても解けも終わりもしないのだろう……