一応日本中の注目を集めた刑務所脱走者・H(27歳)受刑者が、4月30日の正午頃、ついに逮捕された。
しかしそれは潜伏先と見られていた(重点捜索されていた)広島県尾道市の向島という島ではなく、広島県の県都・広島市であった。
なんでも彼、向島からは「海を泳いで」離れたらしい。
この件については、私も先日の記事で「人里離れた、見捨てられた小屋にでも潜伏しているのだろう」なんて書いたが――
その予測は見事に外れ、「逃亡者は大都市に紛れ込む」というベタな真相だったとわかったわけだ。
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しかし瀬戸内海というところ、私にはどこもかしこもプレジャーボートやヨットや漁船がウヨウヨしているところだと……
つまり「海を泳いで渡る」なんてしたら絶対に目立って見つかってしまうだろうと思うのだが、案外そうでもないのだろうか。
(イノシシやシカが海を泳いで渡るというのはよくあるそうだが、それも目撃されることはあまりないのだろうか?)
もし(そんなことは本人にもわかってるので)夜間に泳いだのだとしたら、それはそれで大した度胸である。
夜の海を泳ぐなんて、たとえごく短い距離でも普通は恐ろしいものだ。
それにしてもこんな結末になってしまっては、先日記事で書いた「空き家問題」についてはすぐ忘れられてしまいそうである。
(つまるところ、結果的には空き家の捜索はまったくの無駄でもあったのだから……)
そして例によって、この事件自体が(他の事件と同様に)速やかに忘れられる。
とても年末まで人の記憶に残っていることは(地元を除けば)ないだろう。
「犯罪者・脱走者の逃げ込み場所になるから、空き家を何とかしないといけない」と言ったって、
時機に遅れれば「はいはい、何言ってんの。メンドくさいこと言うなよ」と受け止められるのがオチである。
どうも現代は、「予防対策」というものがますますやりにくくなっているようだ――
ニュースになっている間でなければ、誰も何事もなしえないかのように。