プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「警察も許可がなくては空き家を捜索できない」-広島県向島・刑務所脱走犯と空き家問題の闇

 四国の松山刑務所大井造船作業場という「開放的刑務所」から4月8日に脱走した受刑者・平尾龍磨(27歳)は、広島県尾道市向島という島に潜伏しているとされている。

 そして4月18日現在、警察の大規模な捜索にもかかわらず、まだ捕まっていない。

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 このニュースで最も人々が「バカげてる」「情けない」「そんななのか」と感じたのはやはり、

「警察と言えども(こんな時であっても)空き家には所有者の許可がないと入れない、だから捜索が難航している」

 という話だろう。

 なんだかこれ、諸外国に比べて「不動産所有者の権利が異常に強い」とされている日本ならではの話のように感じられる。

 そもそも諸外国では「個人の土地所有権」なんて観念がなく、「土地は国からの借り物」とされている国も多いのである。

(中国やミャンマーなどがそうだ。)


 しかしおそらく当の平尾受刑者本人は、そんなことになっているとは夢にも思わないだろう。

(新聞やラジオを盗んでいるなら話は別だが……)

 だからやっぱり、潜伏先は住宅点在地の空き家などではなく、人里離れた山奥の見捨てられた小屋などでありそうである。

 そしてやはりいつの日か、いずれ捕まるに違いない。


 それにしても「空き家は犯罪の温床になる」というセリフは誰もが聞いたことがあるのだが、それがこんなに鮮明にクローズアップされたのは平尾受刑者の “功績” である。

 所有者調査と言ったって、どうせ例によって登記簿上の所有者は「田中 市兵衛」とか、明らかにとっくに死んだ人の名前になっていることが多いのである。

 現在の所有者を突き止めようとすれば戸籍などを取り寄せて相続調査しなければならず、やっと判明したあげく相続人(現所有者=共有者)は何十人にも及んだりするのである。

 これは誰しも、「バカバカしい」と感じるだろう。

 
 そして全国の犯罪者・犯罪者予備軍は、「古い空き家に潜めば警察も当分立ち寄れない」と今回の事件で知ってしまった。

(とはいえ先にも述べたように、街中の空き家に潜む度胸のある人間はいないだろうが……)


 どうやらこの対策としては、小規模な・地域限定的な「非常事態宣言」により、警察官に空き家に立ち入る権限を与えるしかなさそうである。

 しかし例によって、そんなことには必ずや反対する人やクレームを付けてくる人がいるものだ。

 そしてそれへの対策としては、「クレームを付けてきた人の名を公表する」または「その人が権利を主張する家屋の場所を公表する」しかなさそうである。

(たぶんこうすれば、文句を付けてくる人は絶無になるかもしれない。

 れっきとした「情報公開」なのだから、やってやれないことはなさそうだ。それなりの正当性はある。)


 すでに向島では、4月14日・15日に予定されていた自転車イベント「グラン・ツール・せとうち2018」が中止されている。

 これだけでも(特に主催者には)莫大な損害である。

(どうせ平尾受刑者が捕まったって、損害賠償請求したって払えるわけがない。)


 今後「空き家問題」が語られるとき、必ずこの事件が引き合いに出されることだろう。

 この事件が空き家問題に関する法整備を加速させることになるとすれば、せめてもの救いになるだろうが……

 
※ところでこの案件、またしても広島県警がらみである。

 なぜだか最近、広島県警がアツい。

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