世界殺人者列伝の中でも必ずスルーされない“女優シャロン・テートら殺害事件”の首謀者で、カルト集団の教祖だった、かの有名なチャールズ・マンソン受刑者が、カリフォルニア州の病院で死亡した。享年83歳。
とはいえ1969年の事件から48年、ほぼ半世紀。
このニュースをクリックした人の多くも「誰それ?」と思ったのではないだろうか。
とはいえマンソンは、今に至るサブカルチャーに甚大な影響を及ぼした人物である。
「ヘルター・スケルター」はビートルズの曲名なのだが、この言葉を聞いて「ああ、(人種間)最終戦争ね」とすぐ思いつく人もまた多い。
最も有名なのは例のロック歌手の「マリリン・マンソン」(もちろん芸名)で、マリリン・モンローとチャールズ・マンソンを合体させたものだ。
やっぱり悪人は、善人よりもはるかに人気と魅力があるのである。
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だからマンソンにも例によって、獄中結婚を願う女性がいたわけだ。
しかし「83歳で病院で死亡」って、まるで普通の人みたいではないか。
ここで気になるのは、1969年から2017年まで彼に費やされた刑務所収容費と医療費のことである。
(彼という人間とその死については、私はあまり気にならない。
「ふーん」とか「もうこういうのは飽きたよ」と感じてしまうのだ。)
生涯生活費を計算するというのはどうしてもざっくりしたものになるのだが、とりあえず以下のサイトを参考にすると、65歳から89歳までの24年間に1人1500万円くらいのようだ。(ただし、もらえる年金を除く)
マンソンが服役を始めたのは34歳のとき、死亡が83歳なので、その間約50年。
となると単純に「24年で1500万円×その2倍」で3000万円。
プラス年金が月15万円として「15万円×12ヶ月×50年」で9000万円。
合計1億2000万円となる。
しかしもちろんマンソンは受刑者であり、刑務所の人件費や施設費なども加味しなければならない。
(おまけにマンソンは刑務所での素行も悪かった。なのに何度も仮釈放を申請する厚かましさである。)
さらに言えば刑務所収容前のマンソンはロクに働いてもいなかったのだから、年金受給額9000万円というのは(彼自身が月々の年金保険料も払わずに)国がタダ払いしていたようなものだ。
こう考えるとマンソン一人にかかった生涯費用は、最低でも3億円くらいではなかったろうか。
これは死刑支持論者にとって、疑いなくプラスの要素である。
こんな殺人者が生きるのに、平均的な庶民よりもはるかに多額の経費を使っている。
しかもその経費というのは、庶民の払った税金でまかなわれている。
こんな男を50年生かすのに何億円使うより、奨学金支援とかに使った方がはるかにマシだったろうに……
だが、こう言うのも気が引けるのだが、マンソンの及ぼした「経済効果」というのは上記の経費をはるかに上回るものがあるだろう。
世の中、何かあれば「経済効果は●●億円」と言う人(とメディア)は多いが――
こういうときこそ、殺人鬼の経済効果をいうものを算出してみてほしいものである。
それと彼/彼女に係る生涯経費を対比してみて、社会は何を思うのか……
」