プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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ノロノロ運転10年以上「10キロおじさん」-日本を揺るがす「変な人リスク」問題

 神奈川県には、もう10年以上もわざとノロノロ運転して近隣住民ら後続車を困らせる「10キロおじさん」という人がいるらしい。
 
 なんでも人が歩くくらいの速度で走り、じゃあ抜かすとクラクションを鳴らす、
 後続車が100メートルも列を成すこともある、
 見通しの悪いカーブの先で駐車する、
 などなど……
 
 そして直撃取材によるともちろん本人は、「こっちが嫌がらせ運転されている。自分は被害者」と言っているとのこと。
 しかしどうあれ、周りの人は「迷惑」「変人」と思っているに違いない。

 さて、これは、日本を揺るがす「変な人リスク」のたった一例である。
 変な人リスク――
 まさにこれこそ、今の日本社会が抱える最大の問題だろう。
 その問題度は、おそらく少子高齢化問題をしのぐほどに。
 よくメディアの報道では、「経済効果」というのが喧伝される。
 東京オリンピックは何兆円の経済効果があるとか、お馴染みのその手の話である。

tairanaritoshi-2.hatenablog.com

 

 であるならば、ぜひこの10キロおじさんの「経済損失効果」というのも試算してほしいものだ。
 いや、全国の「変な人」による経済損失効果を試算してみれば、それはとんでもない金額に上るのではなかろうか。
 一例を挙げると、日本では空き家問題が深刻とされている。
 しかし空き家であるのに、なかなか人に貸し出されることがないのも問題だと言われている。
 その根本的な理由はおそらく、家主が「変な人」に遭遇するリスクを恐れているからである。
 「変な人」が家を借り、家賃も払わず追い出すのも難しいというリスク、近所迷惑になるリスク、それらを懸念するからである。

 変な人リスクは、地域社会でも職場でも最大級の大問題である。
 人々は皆、それをわかっているか実感しているはずである。
 極論すれば、「日本は変な人リスクで滅亡する」と言っても過言ではないのではなかろうか。