プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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広島・廿日市市女子高生殺人事件の犯人14年目の逮捕-やっぱり犯罪者はバカである

 また一つ、未解決事件が解決された。

 それも何の因果か、あの臥竜山事件が解決してまだ2年経っていない広島県警の案件である。

 今から14年前の2004年10月、広島県廿日市市で当時高校2年生(17歳)の北口聡美さんが自宅で殺害され、その祖母も刺されて重傷を負ったあの事件で――

 山口県宇部市に住む鹿嶋学(かしま まなぶ。35歳)が逮捕された。本人も容疑を認めているという。

 鹿嶋学、当時は21歳の若者である。

 

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 鹿嶋学が広島県に行ったり住んでいたりしていたことがあると、周りの人間は「聞いたことがない」らしいが、彼の住む山口県宇部市広島県そして廿日市市にかなり近い。

 地図で見る限り、宇部市に住む人間が(中四国最大の都会である)広島市に行ったことがないなどとは考えがたく、むろん北口聡美さんもそうだったろうから、二人の間に何らかの接点があったことは充分に考えられる。


 ところで今回の逮捕に至ったのは、山口県内で鹿嶋学が別の暴行事件を起こしたことがきっかけだという。

 それまで彼は広島県警の捜査線上に浮かんだこともなかったというから、どうやら「執念の捜査が実った」というわけでもない。

 戦争や競技に例えるなら完全に「自滅」「敵失」と言ったところだろうか。

(きっと広島県警は、全国の逮捕者・捜査対象者の指紋やDNAを片っ端から集めて照合していたに違いない。

 それは確かに大変な作業ではあるが、しかし未解決事件を抱える現代の警察なら当然やっていることでもある。)


 それにしても鹿嶋学、ちょっとでも警察の世話になることをしでかしたらヤバいことくらいわかってただろうに、よりにもよって「別の暴行事件」を起こしてしまうとは、つくづくバカである。

 なんでも今年3月上旬に「会社の同僚の尻を蹴る暴行を加えた」として警察に通報され――

 それまでは仕事関係で揉め事を起こしたことはなく、無断欠勤もなく仕事は真面目で、

 尻蹴り事件の後も「すいません」と申し訳なさそうに詫びていたと言うが……

 普通は「職場の同僚の尻を蹴って」「申し訳なさそうに詫び」れば、当の同僚らに警察へ通報されることはないのではなかろうか。

 なんかどことなく、彼の「本性」や「日頃の行い」が、同僚には気づかれていたような発覚の仕方である。


 このニュースを聞いた人のほとんど全員が抱いたのは、

「やっぱり犯罪者は犯罪者。

 殺人するようなヤツは、絶対どこかでいつか暴力的なことをやらかす」

 という感想だろう。

 鹿嶋学もおとなしくしていれば捜査線上に浮かぶこともなかったろうに、「ついうっかり」同僚の尻を蹴り――

 珍しくも、そんなことで警察に通報されちゃったのだ。


 そしてもう一つ抱く感想と言えば、「やっぱり犯罪者はバカである」というものだろう。

 実際、犯罪者はバカだからこそ犯罪者である。

 これは「知能犯」に分類される犯罪者にすら当てはまる。

 本当に頭のいい人間は、どうやったってリスクのある犯罪を犯すよりずっとスマートに、ずっと大きな(金銭的・心理的・名望的)利益を得ているものだ。


 現在のところ鹿嶋学の殺害動機は不明だが――

 北口聡美さんが自宅の「離れ」の2階部屋にいたところを侵入したという点から、レイプ目的だったようにも思われる。

 刃物は脅しのために持参したのだろうが、バカな若者レイプ犯にはよくあるように、騒がれて黙らせようと無我夢中で殺してしまったようにも思える。

(これ以外に余罪がないなら、14年も殺人をしていないのだから性的殺人鬼ではないだろう。)


 しかし広島県警、2年ちょっとの間で2件の重大未解決事件が解決したのだから、それはそれで成果である。

 だが、広島県警にはまだ一つ――

 「広島中央署の中で、詐欺事件の証拠金8500万円の現金がなくなる」

 という、ある意味殺人事件より深刻・奇怪な未解決事件が残されている……

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