プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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ハイソサエティ鬼面組・豊田真由子国会議員と「人相による投票」

 自民党「安倍チルドレン」の一人、豊田真由子(42歳)議員が、男性秘書(55歳)へ暴行と罵倒をするのを録音テープに録られて公開され、話題になっている。

 豊田議員こんな場合の政治家の定番コース、すなわち入院の道をたどり、自民党に離党届を提出した。
 また付随的に、この人と2文字違いの女子プロレスラー豊田真奈美(46歳)の名が、ネット検索ワードで2位になる(1位はもちろん豊田真由子)という現象も生じた。
(いや、これ、そうなるんじゃないかと思ってたのだ――
 検索ボックスに「とよたま」まで入力すれば、いかにもこの2人の名が変換候補で出てきそうではないか。)

 しかしまあ豊田真奈美――おっと豊田真由子の罵倒は、まさにリング上の女子プロレスラーをはるかに凌ぐ強烈さである。
 私はこのニュースで初めてこの人の顔を知ったのだが……
 魚類系というか類人猿系というか、かなりの程度のブスだと感じた。
 そしてもう一つ思ったのは、車を運転中に後部座席の後ろから叩かれたとおぼしき55歳の男性秘書氏は、かなり気弱な話し方だということである。
 議員に仕える秘書、しかも激怒され手で叩かれて怯えているという状況を差し引いても、こういう人物が豊田真由子のような人間をますますイラつかせエスカレートさせることになるというのは、誰でも容易に想像できよう。
 しかしこの豊田真由子という女、どうも名うてのヒス女らしく、たった1年半で20人もの秘書を辞めさせた(逃げていった)とも言われている。

 さて、こういうことがあると頭をよぎらずにいられないのは、「顔は性格を表す」という言葉である。
 豊田真由子は、どうあがいても美人ではない。
 PR用の写真でこそ幾分マシではあるが(写真技術というのはスゴイものだ)、しかし少なくとも「(根は)心優しそうな女性」と感じる人は少ないのではないか。 
 悪党は悪党らしい顔をし、怪しげな人間は怪しげな顔つきをしている――
 たとえ笑顔でもそう感じる、というのは、ある程度生きてきた人間ならおおむね「わかっている」ことである。  
 もちろん我々は、それがいつも正しいのではないこともわかってはいる。
(時代劇の悪役は、本物のワルでなくても人相の悪い人でないと務まらない。)

 おそらく、化粧していない豊田真由子を見て「投票したい」と思う人間は少ないだろう。
 世の中には「美人過ぎる議員」というのが何人もいて(特に産経新聞は「美人過ぎる」とのフレーズが大好きなようだ)、そんなのが選挙に通っていることに不快感を覚える人も多いだろう。
 しかしこういう事件があると、ブスに投票せず美人に投票するというのは、あるいは正しい選択かもしれないと思えてくるから不思議である。(始末に負えない、とも言えるが……)
 どうせ投票者のほぼ全員は候補者の政策なんか見てもいないのだと思えば、「美人イコール心もキレイ、応援したい」との短絡思考で投票するのも、それほど愚かな行動ではないのかもしれない。
 それは言い過ぎにしても、「女性候補者は化粧することを禁じる」というのは、一考の余地がありそうではないか?

 豊田真由子は、一応エリートである。
 東京大学を出て厚生労働省の官僚になり国会議員になるという、判で押したようなステロタイプとさえ言えるエリートコースを歩んできた。
 その女にして――あるいはそれだからこそ――、人の見ていないところではこのザマである。
 加えて自民党河村建夫・元官房長官は、
「豊田議員は可哀想だ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。気持ちは分かる」
 とか
「録音して週刊誌に持ち込むなんてあり得ない。いくらパワハラがあったとしても、選挙をやる者なら怒る」
 などと記者団に語る始末である。

 世間の人たちが「政治家」「官僚」「エリート」と聞いて「ロクなもんじゃない」と反射的に感じるのは、全然無理のない話だろう。
 しかし、まっとうな市民なら「政治家なんてカタギのやる仕事じゃない」と感じているというのは、民主主義にとってはある意味ファシズムの台頭以上の危機ではないか?
 そしてそういう市民が「自民党で、安倍さんがプッシュしてるから」「自民党が応援してるから、自民党を応援してる人に頼まれたから」というだけで豊田真由子に投票するものだからこのザマになるというのは、まさに救いがたい始末である。
 それよりはまだ、候補者の人相を見て投票先を決めるなどという方が、ずっとマトモな人を選べるのではないかと思えてくる。

 昔『ハイスクール!奇面組』という漫画があったが、ネットで豊田真由子議員の画像や経歴を見ていると――
 「ハイソサエティ鬼面組」という言葉が何とはなしに頭に浮かんでくる。
 そしてこういう鬼面組は、政界のみならずどこにでもいるのである。
 ほら、あなたの街にも、職場にも……