5月16日、広島県安芸高田市の石丸伸二市長(41歳)は、7月7日の東京都知事選に立候補するつもりであることを表明した。
既に5月10日には安芸高田市の次期市長選(7月)には立候補しないことを表明しており、その際に都知事選への立候補の可能性を質問されると「全ての選挙への立候補の可能性を排除しない」と答えており、この時点でもう都知事選立候補は確実視されていたようなものだ。
石丸氏は、小規模市町村の首長としては抜群の全国区の知名度を持っている。
その知名度は、主として市議会との対立の模様をユーチューブにアップして得られたもので――
ある意味、ネット時代の寵児(こういう言い方も古いが……)とも言えるかもしれない。
とはいえ私はこの人のことを、名前は知っているがユーチューブチャンネルを見たことはない。(そもそも音楽系以外のユーチューブはほとんど見ない)
よって、この人のファンでも支持者でもアンチでもない。
しかしそれでもこの立候補表明により、次期東京都知事選がエキサイティング選挙になりそうなことは良いことだと思う。
そして、5月16日の自身のX(旧ツイッター)で石丸氏は、
「東京都知事選に出ることにしました。東京を変えて、日本を変えてみたいと思います。
一極集中から多極分散へ。これしか東京と地方が発展する道はないと考えています」
と投稿した。
東京都知事になろうとする者が東京一極集中の解消を訴えるというのは、かなり珍しいことである。
当然ながらそんなこと、東京都民がこの人に投票したいという政策とは考えにくいからである。
しかし私は、東京一極集中は間違いなく悪だと思っている。
東京が核攻撃を1発食らったら日本は終わり、では困るからだ。
東京コケたら日本がコケる、なんてことではまずいのである。
もっとももはや、東京一極集中の解消には手遅れなのかもしれない。
核攻撃はないとしても第2次関東大震災がいずれ起こるのは確実なので、いずれ日本はヒドい目に遭うのも確実だろう。
ただそれでも、ある程度は「分散投資」しておくのは決して無駄にはならないはずだ。
この意味で、他ならぬ東京都知事が東京一極集中に反対の立場だというのは、かなり有意義なことではある。
もちろん問題は、そんな人に東京都民が票を入れるかということなのだが……
別に石丸氏の政策は「東京一極集中の解消」オンリーであるわけがないのだから――もっともそれ以外の都政への政策は表明されていないが――、
それはそれとしてこれまで培った知名度と「守旧派との対決イメージ」だけでも、相当の善戦が期待できるのではなかろうか。