プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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部活帰りの女子中学生、熱中症で死亡-夏の「学校部活」運動はもう止めよ

 7月28日、山形県米沢市立第三中学校の女子生徒(13歳)が、部活からの帰宅途中に熱中症で搬送されて病院で死亡した。

 部活名は明かされていないが、運動系の部活だったのはまず間違いない。

 しかし市教委の説明によると、部活時間は午前8時半から10時ごろにかけて。

 約20分おきに水分補給し、表情や会話から異常は見られず。

 それもあまりの暑さのため、本当は11時までだったが10時ごろに切り上げて終了したらしい。
 
 これが本当なら、普通というか適切な対策を行なっていたと言えそうだ。

 日本全国どこにでもある、屋外運動系部活の一コマだろう。

 
 しかしやはり、根本的に思うのである。

 このクソ暑いのに、たとえ20分ごとの水分補給があったとしても、たとえ3時間未満だとしても、外で運動するなんて自殺行為・他殺行為ではなかろうか、と。

 他殺と呼ぶのは言い過ぎにしても、私だったらとてもそんなこと子どもたちに命じようとは思わない。

 そんなことしたら、一人や二人は気分が悪くなって倒れるんじゃないかと心配になるからである。

 子どものことも心配だが、自分自身の責任問題も心配になるからである。

 しかもこんなことが、日本全国の学校で何十万人・何百万人の子どもたちを対象に行なわれている。

 そうなると確率的に、全国で一人や二人の子どもが熱中症で死ぬのはむしろ当然のこと、むしろ少ないくらいではあるまいか。

 夏の屋内運動系部活をやるというのは、そういう事態を容認するということである。

 全国で一人や二人の子どもが死ぬのはやむをえないから、それでも部活をやるべきだということである。

 私はこれに、全く賛同しない。

 そもそも今、「熱中症アラート」というのが全国で毎日出ており、スマホの天気・防災アプリに絶えず通知されているのだ。

 これはむろん、屋外での運動をするなという警告である。

 それなのに、こともあろうに学校が(対策はするにせよ)率先して堂々と、子どもらに屋外運動させるのだ。

 これがおかしいと思わない人は、よほどパブリックセクターからの「警告」というのを屁とも思わない人なのだろう。

 そして現実に、そういう人が世の中には多い――というか大多数を占める――のだろう。

 さらにもっと根本的に言えば、「夏休み」って休みであり、休むためにあるのではないか。

 もちろん休みを利用して(好きな)屋外運動をするのは勝手だが、部活に入っているのならそれは強制労働みたいなものである。

 それを承知で、好きだからそんな部活に入ってるんだから、死ぬリスクを引き受けるのも自己責任だと言われればそうかもしれない。

 であるならば、クソ暑い夏に屋外運動するような部活には入らない・入れさせないというのが、スマートな人間のやることだろう。
 
 こうなると屋外運動系部活の将来は、はなはだ暗いものになる――

 が、それも日本の夏の灼熱化に伴う社会変化としては、当然の流れである。

 これはwithコロナならぬ、with異常気象(それが普通になるのだから「異常」ではないが)といったところか。

 それにしても近い将来、真夏でも屋外練習するような部活に入る人というのは、「死ぬリスクをわざわざ高めたい人たち」みたいな目で見られるのではなかろうか……

 

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