プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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阿武町誤振込事件への苦情電話のキモさと「電話応対賤業論」

 山口県阿武町のコロナ対応低所得者向け給付金4630万円「誤振込」事件について、同町への移住者である24歳の男が逮捕された。

 なんでも誤振込当日からオンラインカジノにカネを使いまくって、今はほぼ全く残金がないらしい。

 そして当然のごとく同町には「苦情電話が殺到」し、業務に支障が出ているとのこと。

(⇒ 読売新聞 2022年5月21日記事:誤給付の町に朝から晩まで苦情殺到、代表電話つながりにくく…町長「耐えなくては」)

 今の日本では何か不祥事が起こりさえすれば、苦情電話や誹謗中傷の書き込みが「殺到」するのが常識である。

 しかしこの常識が世界でも常識であるのか、当然のことであるのか、私は知らない。

 

 それにしてもつくづく思うのは、この苦情電話してくる人たちのキモさである。

 そう、一言で言ってキモいのだ。

 いったいあなたは、こういう事件があったからと言って、その原因となった役所だの企業だのに苦情電話をかけようと思うだろうか。

 まともな人間なら、そんなこと思いもしないと思わないか。

 自分と全然関係ないことについて赤の他人に持論を語り、説明や謝罪を求める――

 これがキモメンのやることでなくて何なのか、アタマのおかしい精神異常者ではないか……

 そう思っている人は、この苦情電話をかけてくる人たちの何百倍もいるはずである。

 
 しかしこの日本には、この手のキモい人間がウヨウヨいるのは間違いない。

 それはまるで、社会に埋め込まれた地雷である。

 あなたは「こんなことがあったら苦情電話が殺到するのは当たり前、仕方ない」と思っているかもしれないが、

 もしあなたの職場でこんなことがあり、それが報道されたとしたら、もちろんこのキモメンたちはあなたの職場に電話をかけてくる。

 そしてたぶん、あなたもその電話をとる羽目になるのである。

 
 さらにまた言えるのは、もう現代では「電話応対」しなければならない職場というのは、賤業とみなされざるを得ないということだろう。

 現代の若者がはなはだしく「電話嫌い」になっているというのは、よくネット記事になっている。

 そりゃそうである。

 こんなキモメンや精神異常者(と、それらの類似者)の電話をとるかもしれないと思えば、誰がそんな危険に身を晒そうと思うだろうか。

 周知のとおり、現代の勝ち組たる世界的・ローカル的巨大IT企業の面々は、すでに「お問い合わせ」に電話を使わずメールのみで応対している。

 これはコスト削減のみならず、何よりも社員・従業員のメンタルヘルスに莫大な貢献をしているはずである。

 しかしむろん、そんな「贅沢」が許される企業・団体はまだまだ少ない。

 特に市町村役場なんて、世の中で最後まで電話応対をなくせない業種に属している。はてなブログに投稿しました 

 そう――

 電話応対しなければならない業種や企業は、今後急速に人々の意識の中で賤業化していくだろう。

 むしろそんなことしないといけない事務職・サービス業なんかより、肉体労働を志向する人が増える未来というのは、おおいにありそうなことである。